━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2007年11月号 No.13                        2007年11月23日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  ズームテキスト拡大1 ● プロフェッショナルコース  ショートカットの紹介(1)   【一口メモ】   白杖を持たない視覚障害者 [2] サポートお役立ちサイト  補装具・日常生活用具候補品カタログ [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  先駆的な研修や研究事業を支援   財団法人日本社会福祉弘済会 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  世界最強のスクリーンリーダーが上陸、   「JAWS for Windows Professional Ver.8.0 日本語版」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  「障害者在宅就業支援セミナー」のご案内 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎ズームテキスト拡大1  ZoomTextは、「画面拡大ソフト」と呼ばれますが、拡大だけで なく、たくさんの機能があります。 少しずつご紹介しますが、まずは拡大です。 1倍から8倍までは1倍ずつですが、1.25倍、1.5倍、1.75倍、 2.5倍などもあります。8倍から16倍は2倍ずつで、20倍からは 4倍ずつで、36倍まであります。 この倍率の幅の広さを知るだけでも、このソフトが広範囲の弱視を フォローしていることがわかります。 もちろん低視力の方ほど高い倍率で活用するのですが、倍率を低くして、 見る範囲を広くするということも大切だと思います。見るものの違いに よって倍率をそのつど変更し、この幅広い倍率をうまく活用することが、 このソフトの有効活用の第一のポイントだと思います。「少しでも 大きいと良いのだが」という方も結構います。2倍以下の細かな拡大も かなり活用ができると思います。  拡大ソフトを使っている時、一番の注意が、自分がどこにいるのかが わからなくなってしまうことです。一つ一つの文字の見易さも大切なの ですが、常にどこを操作しているのかを理解しておく必要があります。 特に、倍率を高くして使用する場合に注意が必要です。ZoomText をスタートアップに登録して、それもかなり高い倍率で起動して、一体 どこが画面に出ているのかわからなくなることです。  特に初心者がこのような使い方をするのは避けるべきだと思います。 ZoomTextを終了させずに、[Alt]+[Delete]で、拡大されていない状態に 戻ります。これで全体のイメージを確認して、[Alt]+[Insert]でZoomTextを 有効にします。この切り替え操作をうまくやることが大切だと思います。 また、常に拡大機能を使う場合でも、[Alt]+[テンキーの+(プラス)」で 倍率を高くしたり、[Alt]+[テンキーの-(マイナス)]で倍率を低くしたり うまく使い分けることが大切です。このような使い方をすれば、この ソフトの使い道の幅がさらに広がると思います。  説明は、最新バージョンの9.0によっています。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎ショートカットの紹介(1)  今回からはしばらくの間実用的なショートカットの話をします。 まず[Ctrl]キーを使用したショートカットです。 WordとExcelで利用できます。 これらを一般的なショートカットとして説明します。 [Ctrl]+[A] 全てを選択します。英語「All」の先頭文字です。 [Ctrl]+[B] 太字にします。  1.選択範囲に太字が1文字以上ある場合は元にもどします。  2.選択範囲に太字が1文字もない場合は選択範囲の文字をすべて  太字にします。 [Ctrl]+[C] 選択されている対象をコピーします。英語「Copy」の  先頭文字です。 [Ctrl]+[D] エクセルで上のセルと同じ内容を「下」にコピーします。  英語の「Down」の先頭文字です。 ワードの場合、フォントのダイアログ  が表示されます。 [Ctrl]+[E] 文字の配置を中央にします。英語「Center」の2文字目の  「E」です。 [Ctrl]+[F] 検索のダイアログを表示します。英語「Find」の  先頭文字です。 [Ctrl]+[G] 移動です。移動するためのダイアログを表示します。英語の  「Go」の先頭文字です。 [Ctrl]+[H] 置換のダイアログを表示します。 [Ctrl]+[I] 斜体にします。選択範囲に斜体の文字がある場合は解除  します。英語「Italic」の先頭文字です。 [Ctrl]+[J] ワードの場合、通常採用されている「両端揃え」になります。 [Ctrl]+[K] ワードとエクセルではハイパーリンクのダイアログが  表示されます。 [Ctrl]+[L] ワードで左寄せです。英語「Left」の先頭文字です。 [Ctrl]+[M] ワードで段落を左端からインデントします。字下げをします。  [Shift]+[Ctrl]+[M]でインデントを1段階解除します。 [Ctrl]+[N] ファイルメニューの新規作成です。英語「New」の  先頭文字です。 [Ctrl]+[O] 新しいファイルを開くためのダイアログを表示します。  英語「Open」の先頭文字です。 [Ctrl]+[P] 印刷します。英語「Print」の先頭文字です。 [Ctrl]+[Q] ワードの場合、書式設定を解除します。 [Ctrl]+[R] ワードで右よせです。英語「Right」の先頭文字です。  エクセルの場合、左側のセルの内容を「右側」にコピーします。 [Ctrl]+[S] 上書き保存です。英語「Save」の先頭文字です。 [Ctrl]+[T] ワードでぶら下げインデントを1つ深くします。  [Shift]+[Ctrl]+[T] でレベルを1つ戻します。 [Ctrl]+[U] 選択範囲の文字に下線を付けたり、取ったりします。英語の  「Under Line」の先頭文字です。 [Ctrl]+[V] 貼り付けます。覚え方:ピンセットの形、または[C]の  となりです。 [Ctrl]+[W] 作業状態の保存です。作業の英語「Work」の先頭文字です。 [Ctrl]+[X] 切り取りです。覚え方:はさみの形です。 [Ctrl]+[Y] 繰り返します。 [Ctrl]+[Z] 元に戻します。「Z」は最後で、次は元の「A」に戻るとして  覚えます。 ******************************************************************   【一口メモ】 ◎白杖を持たない視覚障害者  みなさんは街でどれくらいの視覚障害者を見かけるでしょうか? 視覚障害者のシンボルは白杖、それを持っている人を数えればいいと 思っているのではないでしょうか。 でも、30万人いるにしては案外少ないと感じませんか? 実は、視覚障害者だからといって必ずしも白杖を持っているとは 限らないのです。  前号で、視覚障害者の3分の2が弱視だと書きました。それらの中には 文字を読んだりするのは難しくても、外を歩くのはそれほど不便を 感じない人がたくさんいます。  一概には言えませんが、例えば、視力が0.04程度以上あるような 人は、白杖なしでも歩ける場合もありますし、視力は高いけれど視野が 狭い人は白杖がなくても歩行にはあまり問題がないことがあります。  あと、特に中途で視覚障害になった人にとって「白杖」を持つことに 抵抗を感じることが多くあります。その場合、眼の状態としてはかなり 厳しくても白杖を持っていない人もいることを知っておいてください。 本当はきちんと白杖を持たないと危険だと分かっていても、なかなかそう できない現実もあるのです。 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎補装具・日常生活用具候補品カタログ  今回も、視覚障害者自身にとってのお役立ちサイトを取り上げてみました。  パソコンを指導するに当たって、パソコンができるとこんなことも できるようになります、と紹介するような意味でもご利用下さい。  視覚障害者を含む身体障害者には、補装具費支給制度があり、各地方自治体から購入に際して補助が出ます。  しかしながら、どのような補装具が対象となるかは、各自治体で異なっているにも関わらず、各自治体のホームページにもほとんど記述がありません。  そこで、自治体との交渉に当たってどのような補装具や日常生活用具が対象となる可能性があるか、の候補のリストがあれば便利なわけです。  今回ご紹介するサイトは、上に書いたリストの一例として、日本点字図書館の用具事業課のページです。  「補装具と日常生活用具の制度とは」のページもご紹介しておきます。  是非一度このサイトを訪ねてみられて、まだご存知でない視覚障害者の 方にも紹介してあげて下さい。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 補装具と日常生活用具の制度とは http://www.nittento.or.jp/YOUGU/shienhou.htm 補装具・日常生活用具候補品カタログ http://www.nittento.or.jp/YOUGU/list/nichigu.htm ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎先駆的な研修や研究事業を支援  財団法人日本社会福祉弘済会 団体を運営していて悩みの大きいのが「資金問題」ですね。 ここしばらく、団体・サークルを紹介して来ましたが、  今回は 「財団法人日本社会福祉弘済会」についての助成金情報です。  財団法人日本社会福祉弘済会の法人発足は昭和59年で、助成事業の 主旨は増大多様化する福祉需要の中で関係者の向上を目指した 「研修事業」「研究授業」地域社会に草の根的に取り組んでいる 先駆的事業に助成する事により豊かな福祉社会の実現に寄与することを 目的にしています。 1件の助成額は30万円程度で、助成金交付対象は中央及び地方の 福祉団体、老人福祉施設、知的障害児者施設、養護施設、保育所及び グループホームなど福祉全般にわたっています。  例年7月〜12月に申請を受付け、翌年3月に交付しています。  平成18年度までの助成実績は、1,686件、5億3千万円です。  平成19年度の申請締切は、平成19年12月15日までです。  これまでの実績でも視覚障害関係のところがいくつもあります。 ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 *お問合せ先: 財団法人日本社会福祉弘済会 〒130-0022 東京都墨田区東橋4−24−3 TEL 03-3846-2172 FAX 03-3846-2185 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.nisshasai.jp/index.html ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎世界最強のスクリーンリーダーが上陸、  「JAWS for Windows Professional Ver.8.0 日本語版」  今回は、11月8日に有限会社エクストラから発売された 「JAWS for Windows Professional Ver.8.0 日本語版」をご紹介します。  JAWS for Windowsは、画面情報や入力情報を読み取るスクリーンリーダー です。このソフトを使うことにより、Webページの読み上げ、文書の読み上げ および作成のほか、さまざまな情報へのアクセスが可能になります。  Ver.8.0では新たにWindows Vista対応となり、Microsoft Office 2007の 主要アプリケーションやFireFox、Skype、Windows Media Player、 Windows Live Messengerなどに対応。IE7への対応強化や点字表示の改良、 その他多くのアプリケーションでの動作改善が成されました。  JAWS for Windowsの優れた点は、画面やウィンドウに表示された情報を 読取る能力が高いことです。キーコマンドが使えない場合でもJAWSカーソルを 合わせてマウスクリックが可能。さらに、そのままではうまく読めない アプリケーションも、適切なJAWSスクリプトを書くことで読めるように なります。 これにより、さらに多様なアプリケーションの読み上げを可能にします。  日本語版固有の機能として、日本語版ヘルプを提供。正確な日本語読み上げ 機能、独自英語読み上げ機能、DTalker for EXTRA (4種類の音声)、EXTRA自動点訳エンジンと同等の点訳機能などを搭載し、 より快適に使いこなせるようになりました。 <動作環境> 対応OS:Windows2000/XP/Vista(64ビット版Windowsでは動作しません) *Win2000/XPをご利用の場合、メモリ256MB以上(512MB推奨) *WinVistaをご利用の場合、メモリ512MB以上(1GB推奨) *800×600以上の画面解像度と16ビットカラー以上のディスプレイアダプタ (1024×768の画面解像度と32ビットカラー推奨) *サウンドカードまたは点字ディスプレイ 新規購入価格:149,100円 Ver.7.1からのバージョンアップ:49,350円 Ver.6.2からのバージョンアップ:79,800円 *バージョンアップ版のご購入には、ユーザー登録が必要です。 *当製品は、日常生活用具給付対象商品です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.extra.co.jp/jaws/index.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎「障害者在宅就業支援セミナー」のご案内 このセミナーは、企業に対して障害者の在宅就労に関する情報提供を 行うことで、在宅就労を行う障害者に対する理解を深めるとともに、在宅 就労者への仕事の発注を啓発することを目的とします。 *日時:12月4日(火) 13:00〜16:00 *場所:千葉市文化センター9階 *参加費:無料 *定員:80社 *申込み締切:11月30日(金) *セミナー内容:  障害者の在宅就業制度説明、在宅就業支援団体の果たす役割、  IT技術の活用による在宅就業の取り組みなど *お問合せ・申し込み先:トライアングル西千葉 在宅就業支援係  住所 千葉市稲毛区小仲台2−6−1 京成稲毛ビル205  TEL 043-206-7101  FAX: 043-207-7153  URL  http://www9.plala.or.jp/triangle_nishi/ ◎「夢のつばさ 福祉フェスタ 2007」のご案内 〜出会い 語らい 明るい未来へ〜  このイベントは、視覚障害を広く社会に理解してもらうとともに、 視覚障害者が楽しみながら福祉機器に触れ、障害者と健常者が交流できる 場となることを目指しています。 *日時:12月9日(日) 9:30〜16:00 *場所:中間市生涯学習センター(福岡県中間市通谷一丁目) *参加費:無料 *プログラム:  視覚疑似体験、ミニ講習会、バザー、福祉機器展示会など。 ▼参考サイト http://thubasa.versus.jp/forum.html ◎第18回アメディアフェアのご案内 アメディアフェアは、株式会社アメディアが設立2年目から毎年 行なっている視覚障害者の祭典です。 *テーマ:「今の自分からのステップアップ」 *日時:12月23日(日) 11:00〜17:00 *場所:東商センター(東京都台東区柳橋2-1-9) *参加費:無料 *プログラム(予定):  シンポジウム、講演、約20社による  展示会など。また、豪華賞品が当たる抽選会もあります。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.amedia.co.jp/event/amediafair/18/index.htm ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見  など何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 今月も各地で開催されるイベントの案内をいくつかご紹介しました。 こうして、いろいろなところで視覚障害者のパソコン利用を進めるための 催しがあるのはとても心強いです。 これからもよりよい情報をお届けするよう努力していきます。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は、12月28日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。 編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク SPAN(スパン) http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━