━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2008年12月号 No.26                       2008年12月26日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  ここが山場だ!文字入力(2) ● プロフェッショナルコース  英語版Windowsでショートカット(その1) ● 【コラム】 パソコンよもやま話  Skype(スカイプ)使っていますか?その3 [2] サポートお役立ちサイト  マイクロソフト アクセシビリティ ホーム [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  NPO法人ハーモニー・アイ [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  大物SCR解禁、「JAWS for Windows Professional Ver.9.0 日本語版」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  視覚障害者に対するパソコン指導者養成講座(静岡)開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎ここが山場だ!文字入力(2) 画面やキーボードが見えない視覚障害者にとって、タッチタイピングを確実 に習得することは文字を入力する上でとても大事なことです。  タッチタイピングは、決められた指使いでキーを打ってキーボードを操作 する方法のことで、キーボードを見ないのが原則です。たとえパソコンの 画面や手元が見えている人にとってもキーボードを見ずにタイプできれば、 疲労度も減り、入力速度も上がります。視覚障害者が文字を入力するには、 必然的にタッチタイピングの習得が不可欠になります。  タッチタイピングを習得する上で、もっとも重要な軸となるのは、なんと 言ってもホームポジションの正確な位置に8本の指を配置することです。  ホームポジションを直訳すると家の位置とよく言われます。家は基本の 場所ですから、基本的な指の位置といった意味合いがあります。タッチ タイプするときは、どの位置に指をおいていてもはじめのころは、キーを 押した後ホームポジションに戻すのが原則です。  この原則を守ることで、指がキーボードの上でどのキーを打てばよいか 分からなくなることが避けられるからです。  では、キーボードの下の段から数えて3段目にある「F」と「J」をよく 触ってみてください。キーの表面に突起があるのが分かると思います。 これがホームポジションの知るしです。  左手の人差し指を[F]キーにおいて、右手の人差し指を[J]キーにおきます。 親指は一番下の段にある[Space]キーに置いてください。人差し指以外の残り の指は、左手から[D][S][A]の順に中指、薬指、小指、右手は[K][L][;]の 順で同様に人差し指に添えるように軽くそろえて置きます。  これがホームポジションの正しい位置になります。まずはこの位置に 迷わずに指をおけるように練習してください。  いよいよ次回は、実際にキーを打ってタッチタイピングに挑戦しましょう! ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎英語版Windowsでショートカット(その1) なぜ、ファイルメニューはAlt+Fなのに、書式はAlt+Oなのでしょう! 英語版のWindowsを見れば、その理由が明らかになります。今回は英語版の WindowsVistaから、「元々の英語表記」をみることで、ショートカットの 意味を探ります。 まずメモ帳つまり、「Notepad」で英語表記を確認してみましょう。 1.メニューバー 日本語版では、「ファイル(F)」「編集(E)」「書式(O)」「表示(V)」 「ヘルプ(H)」です。 英語版ではFile Edit Format View Help と表示されます。 ファイル(F) Fileの先頭のF 編集(E) Edit の先頭のE 書式(O) Formatの2文字目のO 表示(V) Viewの先頭のV ヘルプ(H) Helpの先頭のH となっています。書式メニューは Alt+Oで開きますが、formatの2文字目 の「O」だったのですね。 2.ファイルメニュー 新規(N) Ctrl+N New 先頭のN 開く(O) Open 先頭のO 上書き保存(A) Save SaのA ページ設定(U) Page Setup でUpのU 印刷(P) PrintのP メモ帳の終了(X) Exitの2文字目のX 画面右上の「バツボタン」はX (エックス)にも見えますね。 3.編集メニュー 元に戻す(U) Undo の先頭のU Ctrl+ZのZは不明です。やはり「最後の手 なので、アルファベットの最後の文字Z」と覚えることにしましょう。 切り取り(T) Cutの最後のT Ctrl+Xははさみの形と覚えましょう。 コピー(C) Copyの先頭のCです。 Ctrl+C も同様です。 貼り付け(P) Pasteの先頭のP Ctrl+Vはピンセットの形と覚えましょう。 削除(L) Deleteの3文字目L Deleteキーは当然ですね。 検索(F) Findの先頭のFです。 Ctrl+Fも同様です。 次を検索(N) Find NextでNextのNです。F3はWindowsの決まりとして覚え ます。 置換(R) Replaceの先頭のRです。Ctrl+H は画面からは分かりませんが、 Exchangeの4文字目のHと推定できます。 行へ移動(G) Gotoの先頭のGです。Ctrl+Gも同様です。 すべて選択(A) Select AllでAllの先頭のAです。 Ctrl+Aも同様です。 日付と時刻(D) Time/DateのDです。 F5はほかでは、最新の「内容に更新 する」ですね。(これは日付と時刻を挿入する機能です。) 「最新の日付を貼り付ける」だからF5と覚えましょう。 3.書式(O)メニュー 右端で折り返す(W) Word WrapのWです。Word Wrapは英語で「単語の途中で 折り返さない」ことです。英語では、単語の途中で改行すると、異なる意味 になってしまうことがあります。 フォント(F) Fontの先頭のFです。 4.表示(V)メニュー ステータスバー(S) はStatus Barの先頭のSです。 5.ヘルプ(H)メニュー トピックの検索(H) はなんと View Helpの Helpの先頭のHでした。 バージョン情報(A)は About NotePad の先頭のAです。 次回は「コンピュータ」を説明します。 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎Skype(スカイプ)使っていますか?その3 Skypeを利用するための準備は進んでいますか? 既に利用されている方も多いことでしょうね。 パソコン、インターネット回線については、このメルマガを読んでいる方は 当然ながら活用済みですね。 スピーカについても、今のパソコンには標準で付いていることでしょう。 準備が必要な者はマイクロフォンだけでしょうね。 そして、・Skype ソフトウェア Skype3.8 for Windows http://www.skype.com/intl/ja/download/skype/windows/ ダウンロード、インストールは済みましたか? Skypeのインストールは一部スクリーンリーダに対応していないところが あり、画面が見えない方は晴眼者との共同作業をお勧めします。 初期設定が終わると、日常的な操作はスクリーンリーダが対応しています。 ただ、数年前に開発された95reader(XPreader)はメニューは音声化できて いますが、コンタクトリストなどには対応できていません。 インストールが終われば、最初に行うのは正しく導入できているかの確認 です。 その為に「Skype通話音声テスト」が準備されています。 スカイプを起動し、「コンタクトリスト」との音声を聞いた後で、[上・下 カーソル]キーを押していくと、「Skype通話音声テスト」と読み上げるので、 [Enter]キーを押します。 呼び出し音が聞こえ、接続できると、英語で話しかけてきます。 その後「ポーン」とチャイム音がするので、約10秒間話してください。 再度「ポーン」と鳴り、あなたが話した内容が再生されれば、テストは成功 です。 これらの音声を確認して、スピーカの音量なども、調整してみてください。 英語で話しかけてくる内容は理解できなくても大丈夫ですが、日本語で話し かけて欲しい方はつぎのようにしてください。 [Tab]キーを何度か押すと、「文字入力」あるいは、「エディット」との発声 があるので、そこで、「soundtestjapanese」と入力し、[Enter]キーを押し ます。 これで、優しそうな女性が日本語で呼びかけてくれますよ。 この場所は、Skypeの画面の下の方で、オンフック、オフフックの受話器の 絵の上のところです。 固定電話や、携帯電話に欠けるときに電話番号を入力する場所と同じです。 Skype IDをここに入力しても発信できます。 つづく                           文責 園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎マイクロソフト アクセシビリティ ホーム  このサイトでは、マイクロソフトが、さまざまな障害者がパソコンを使い やすくするために装備した機能について詳しく説明しています。 このメルマガの読者にとって関心のありそうな、例えばWindowsXPを使う 弱視者向けのものを探してみます。 下記のURLのマイクロソフト アクセシビリティ ホームから、 障害別ガイド→視覚障害→低視力の方のためのステップ・バイ・ステップ ガイド→WindowsXPとリンクを辿ります。 ここには、ごく一例ですが、 ハイコントラスト : 画面表示に読みやすい色とフォントを使用する、 カーソルの点滅(点滅する速さ)とカーソルの幅を変更する、 マウスポインタのデザインを選択する、 マウスポインタの位置を同心円で表示する、 英文用のナレータを使用する、 拡大鏡を使用する、 などについて、設定のしかた、使い方まで詳しく説明しています。 また、マイクロソフト アクセシビリティ ホームのページの中の、 「視覚障害者向け簡易マニュアルをアップデートしました」 のリンクの中では、 「XP ユーザーのための Windows Vista 入門」 で、XPとVistaの違いを判りやすく説明していますし、 「Windows XP パソコンを Windows Vista にアップグレード」 では、PCトーカやFocusTalkを使ってXPをVistaに音声操作でアップグレード する方法なども紹介しています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.microsoft.com/japan/enable/default.mspx ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎NPO法人ハーモニー・アイ  今回は「NPO法人ハーモニー・アイ」をご紹介します。  この会は、「視覚障害者と共に歩む会 ハーモニー」が発展したものです。 主な活動は以下の通りです。 1.「アクセシビリティー研修・講座」の開催 利用者の視点に立って、ICTのアクセシビリティを広範囲に研究、調査し、 その結果を元に、製作している方や関連してる企業や関係者様へ向け研修・ 講座を開催しています。 2.WebアクセシビリティDVDの販売 視覚障害者の生の声を届ける「Webアクセシビリティ」のDVDをスタッフと 編集し、販売しております。 http://www.harmony-web.org/dvd1/ 3.情報弱者への適切な利用方法の指導教育・情報提供・提言 多様な就業の機会を向上させて、自立した快適な社会生活が営めるような社会 形成の促進に寄与する為、情報弱者への適切な利用方法の指導教育・情報 提供・提言等を通じて普及促進に努めています。 4.モニター制度の実施 ユニバーサルな商品・サービスなどの制作・開発に対して、ユーザー評価を していますが、その活動に対してご協力いただける、高齢者や視覚障害者の モニターを募集しています 5.インタビュー活動 ユニバーサルな社会実現へ取り組んでいる様々な人々へ焦点を当てて インタビューを行い活動に役立てています。 また、この会の大きな特徴として、視覚障害者・高齢者などいわゆる 情報弱者の当事者、Web関連の製作側の仕事に従事する若い方々、支援者の 方々など、各方面から多種多様な人材が集まっています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.harmony-i.org/。 ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎大物SCR解禁、「JAWS for Windows Professional Ver.9.0 日本語版」  今回は、12月15日に有限会社エクストラより発売された画面読み上げソフト 「JAWS for Windows Professional Ver.9.0 日本語版」をご紹介します。  JAWSは、画面に表示されている情報を読み取るスクリーンリーダーです。 Microsoft Officeなどの各種主要ソフトウェアに対応しているほか、強力な スクリプティング機能により、さらに多様なアプリケーションの読み上げが 可能です。  主な新機能と改良点は以下のとおりです。 ・「JAWSスタートアップウィザード」の追加による基本設定の簡略化 ・バルーンのクリック機能の追加による警告への対応 ・Internet Explorerで快適なネットサーフィン ・Microsoft Office 2007/2003/XPの主要製品に対応 ・Skype、Windows Media Player、Windows Live Messenger、iTunesにも対応 ・JAWSの充実したヘルプやユーザーマニュアルを日本語で提供 ・EXTRA自動点訳エンジンと同等の点訳機能を搭載  また、日本語版JAWSを使いながら音声で解説するオーディオガイダンスCDを 添付。CDの案内を聞きながら操作することで、JAWSの修得がより容易に なりました。DAISY形式のオーディオガイダンスは、プログラムCDにも 入っています。  JAWSは、日常生活用具給付対象商品です。詳しくはお住まいの自治体の 福祉課窓口へお問い合わせください。 ●動作条件 OS:WindowsXP、WindowsVista ●価格 新規(Ver.9.0+1):149,100円 Ver.8.0からのバージョンアップ(1バージョンアップ):49,350円 Ver.7.1からのバージョンアップ(2バージョンアップ):69,300円 Ver.6.2からのバージョンアップ(3バージョンアップ以上):89,250円 リモートアクセスライセンス:25,200円 *バージョンアップ版のご購入には、ユーザー登録が必要です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.extra.co.jp/jaws/ ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎視覚障害者に対するパソコン指導者養成講座(静岡)開催 この講習会は、視覚障害者のパソコン指導者を養成するために開催します。 *日時:2009年1月24日(土)・25日(日) 10:00〜16:00(両日) * 会場:ふしみやビル 901会議室 *内容:視覚障害者が使いやすいパソコンの設定や、キーボードの指導法、 及びキーと音声によるWindows操作と文字入力など、視覚障害者へのパソコン 指導の方法を学習します。 *参加費:無料 *主催:財団法人 機械産業記念事業財団 TEPIAデジタルプラザ ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/tepia/index.html ◎ボイスセンス、ブレイルセンスプラス、ブレイルセンス最新版を公開 有限会社エクストラでは、音声(点字)PDAの最新ファームウェアを以下の ページにて公開いたしました。 ボイスセンス、ブレイルセンスプラス、ブレイルセンスをすでにお持ちの方 は以下のURLより最新ファームウェアをダウンロードしていただき、無償にて アップグレードすることができます。 詳しいアップデートの方法は以下のURLにてご確認いただけます。 また、最新ファームのリリースに伴いマニュアルも一部変更されています。 最新バージョンでのご活用をお勧めします。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 ボイスセンス Ver.1.3 http://www.extra.co.jp/vs_update.html ブレイルセンスプラス Ver.5.2_20081201版 http://www.extra.co.jp/bsp_update.html ブレイルセンス Ver.5.2 http://www.extra.co.jp/bs_update.html マニュアルを含むダウンロードのページ http://www.extra.co.jp/download.html ◎NTTドコモ らくらくホンマニュアルダウンロードのお知らせ NTTドコモ・らくらくホン取扱説明書をPDFファイルで機種別にダウンロード できるページをご紹介します。 この取り扱い説明書は機種別でPDF版、音声版の他、一部機種のテキスト版 マニュアルもダウンロードできます。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.nttdocomo.co.jp/support/trouble/manual/download/howto/index.html ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見  など何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  今年最後の配信となりましたが、皆様のおかげでさまざまな情報をお届け することができました。 来年もよりよい内容を目指して編集部一同努力してまいりますので、どうぞ よろしくお願い致します。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。  次号は1月23日配信を予定しています。  それでは、どうぞよい信念をお迎えください。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━