━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2011年6月号 No.56                       2011年6月24日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  Excel基礎(3) ● プロフェッショナルコース   パソコンワンポイントの知恵 (10)   ハードウエアの動作状態 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  パソコンソフト 画面拡大ソフト2種 [2] サポートお役立ちサイト  読書の時間 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  社会福祉法人 日本盲人会連合   〜自立と社会参加を実現しようと組織された視覚障害者の全国組織です〜 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  USBメモリを用いた高機能音声ブラウザ、「スマートブラウザリーダーUSB」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  京都ライトハウス創立50周年記念機器展示会を開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎Excel基礎(3) 今回は日付の入力について説明します。 Excelでは、セルA1に「6月10日」のような日付を入力するとき、『6月10日』 とわざわざ入力しなくても表示する方法があります。 試しにExcelを開いて、セルA1に『6/10』と入力してEnter キーで確定します。 ⇒セルA2に選択が移動するので、上方向 キーを押して、セルA1に選択を移動 します。 ⇒セルA1に「6月10日」と表示されています。 Excelでは、上記のように「/(スラッシュ)」を入れて月、日を入力すると、 日付として認識されて○月○日のような日付の形式で表示されます。 数式バーには、「2011/6/10」と表示されています。ただし、スクリーン リーダーでは確認することはできません。 なお、「6/10」と表示させたい場合は、「'6/10」のように「'」を前に つけるとExcelでは、文字列として認識されます。 また、Excelで日付を表示する場合、日付以外に、年号を西暦で表示したり、 「平成」、「昭和」といった和暦で表示したり、さまざまな日付の表示形式を 選択して表示する方法があります。 それでは、セルA1に入力された「6月10日」の表示を「2011年6月10日」に 変更してみましょう。 表示形式の変更は「セルの書式設定」のウインドウの中の「表示形式」の タブシートで行います。 方法はいくつかあります。以下に手順を記します。 1.日付の入力されているセルA1を選択します。 2.Ctrl + 1 キーを押して「セルの書式設定」のウィンドウを表示させます。 3.「表示形式」のタブシートに選択があたっている状態なので、Tab キーを  押して、「分類」を選択する項目に移動します。 4.「ユーザー定義」に選択があたっているので、上方向 キーを押して、  「日付」まで移動します。 5.次にTab キーを押して、日付の形式を選択する項目に移動します。 6.下方向 キーを押して「2001念3月14日」まで移動します。 8.Tab キーを押して、「OK」まで移動してEnter キーで実行します。 Excel2007の場合は、「ホーム」タブの中の「数値グループ」の「表示形式」 からも同様の操作が可能です。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎ パソコンワンポイントの知恵 (10)  ハードウエアの動作状態 パソコンの動作が不良な場合、ハードウエアがうまく動作していないことが あります。 特に、新しいハードウエアを増設した場合、OSの細かなバージョンや、他の ソフトウエアの関連でハードウエアが正しく動作していないことがあります。 その場合、ハードウエアの状態を調べることができます。 お詫び、今週の内容は音声での確認ができていません。お詫び申し上げます。 [Windows]キー+[Pause]キーでシステムのプロパティを起動します。 [Ctrl+Tab]でタブを「ハードウエア」に切り替えます。 [Tab]キーで「デバイスマネージャ」のボタンに移動します。 [Enter]キーで実行し「デバイスマネージャ」のダイアログボックスを開き ます。 [Tab]キーを押して、クライアント領域に移動します。 [上または下方向]キーで移動すると、いろいろなハードウエアのグループ名称 が聞こえます。 グループの中身を知りたい場合は、[右方向]キーを押すと、従属する情報が 表示されます。 さらに、[下方向]キーを押すと、従属する情報を聞くことができます。 状況を確認したいハードウエアで[Enter]キーを押すと、プロパティの画面が 表示されます。 正常に動作している場合、デバイスの状態の次のエディットの冒頭に「この デバイスは正常に動作しています。」と表示されます。 そうでない場合は何らかの対策が必要です。 ハードウエアがうまくつながっていない場合は、「デバイスマネージャ」の ダイアログボックスに「疑問符」が表示されます。 したがって、疑問符が表示されている場合、何らかのトラブルがあるので、 対策を講じる必要があります。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎パソコンソフト 画面拡大ソフト2種 今まで「視覚障害者用ツール」について16回にわたり紹介してきました。 まだ、紹介する商品はあるのですが、ここらで気分転換のため、windows パソコン用ソフトについての紹介をします。 今回は「画面拡大ソフト」についてです。 いずれもフリーソフトなので是非試してください。 どちらもメモリーに常駐し、ショートカットキーなどで拡大/縮小ができます。 ショートカットキーの変更ができます。 ちょっと使うには「QZoom」が便利のようです。 一方「Lupe」の方は機能も豊富です。 ロービジョンの方で、通常はスクリーンリーダ主体で操作しているけれど、 地図を見たいとか、写真やYouTubeなどをさっと大きくしてみたい場合などに 便利だと思いますよ。 ●QZoom「快速ズームソフト」 http://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se472661.html より引用します。 Macのズーム機能を実現! ネットブック・プレゼンに最適! ソフト詳細説明 QZoomとは、WindowsでMac OS Xのズーム機能を実現するためのソフトです。 ズーム時のアニメーションがなめらかで、YouTubeやニコニコ動画も拡大して 見れます。 ネットブック・プレゼンテーション・視覚補助等にお役立てください デスクトップ全体を拡大するとPCの動作が重くなりますが、極力CPUに負荷を かけないように工夫しました。 設定で指定倍率まで拡大・縮小できるので効果的なプレゼンができます! アップルーマークのかわりにWindowsキーを使います。 拡大:[Windowsロゴ] + [Alt] + [+] ^ 縮小:[Windowsロゴ] + [Alt] + [-] キャンセル:[Esc] もちろんマウススクロールでの拡大・縮小にも対応してます。 拡大:[Control]キー + マウスホイールを上へ 縮小:[Control]キー + マウスホイールを下へ (一部アプリとかぶる場合、変更可能です。Ctrl,Alt,Shift,Winから選択可能 です。組合せ可) ※Vistaでは初回起動時画面がちらつきます。 動作環境 ソフト名:QZoom「快速ズームソフト」 動作OS:Vista,XP 機種:IBM-PC  種類:フリーソフト 作者:mira96 〜〜〜 ●Lupe http://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se386042.html より引用します。 拡大窓の位置を基準にして周辺を拡大するルーペ ソフト詳細説明 どこにでもあるような拡大鏡です。 次の3つのモードがあります。 1)固定モード 拡大鏡の位置を固定して使うモードです。拡大鏡の移動は マウスドラッグで行ないます。 2)ポインタ追跡モード 拡大鏡がマウスポインタを追って移動するモードです。 3)全画面モード 全画面を拡大するモードです。プレゼンテーションなどに 活用できますが動作が重いです。 そのほか、オプションとして ・カーソルの追跡 ・拡大画像のスムージング (一部PCでは正常動作しないかも) ・拡大画像の色反転 ・マウスポインタの拡大表示 ・拡大画像の色変換 ・拡大画像のスナップショット保存(ビットマップ/GIF/PNG/JPEG形式) などの機能もあります。 動作環境 ソフト名:Lupe 動作OS:Vista,XP,Win2000 機種:IBM-PC 種類:フリーソフト 作者:hagi                           文責 園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎読書の時間 この「読書の時間」は、フリーソフトで[Enter]キーと[矢印]キーの操作で、 「本」「ニュース」「サイマルラジオ」「音の検索」などが簡単操作で聴く ことができます。しかもスクリーンリーダーとも相性が良くとてもよくできた ソフトです。 1. 「サイマルラジオ」では、「ラジコ」が聴けます。この「ラジコ」は都会  のビルの電波障害により普通のラジオでは聴きにくかったAM放送をパソコン  を通してクリアーな音声で聴くことができます。  ただし、聴くことができるのは関東エリアと大阪エリアに限られています。  今は東日本大地震でエリアの指定が解除されていますので、全国どこから  でもアクセスできます。 2. 「本の検索」では、著作権の切れた9,000冊以上の書籍が、キーワードで  検索して読むことができます。著作権存続中の作品についても、Webブラウザ  の呼び出しにより読むことができます。 3. 「ニュースを読む」では、RSSリーダー機能により、時事から娯楽まで、  幅広いカテゴリの最新ニュースを読むことができます。 4. 「音の検索」では、ポッドキャストで配信される肉声の朗読  (約45チャンネル)の聴取・録音ができます。クラシック音楽も作曲家別、  作品別にダウンロードして聴くことができます。おもしろいところでは、  歴史的人物の声を聞くことができることです。ヒットラーから昭和天皇まで 以上のようなことができ、しかも「本棚」機能もありますので、ダウンロード した音楽や気になった記事の保管ができます。とにかく、一度試してみて 下さい。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.eonet.ne.jp/~akiraworld0719/dokusho.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎社会福祉法人 日本盲人会連合  〜自立と社会参加を実現しようと組織された視覚障害者の全国組織です〜 日本盲人会連合は、わが国の視覚障害者を主体とする団体により構成され、 視覚障害者福祉の向上を目指し、組織的な活動を展開している社会福祉法人 です。 *主な事業 ・全国の視覚障害者団体に対する連絡及び助成事業 ・点字図書館、点字出版所、更生相談所、録音製作所の設置経営 ・点字情報ネットワーク、福祉用具の販売斡旋等事業 ・福祉一般に関する調査研究、情報宣伝及び文化活動 ・あん摩・指圧・はり、きゅう等の生業の安定及び職域拡大のための調査研究  並びに医療保険取り扱い等の経営指導 国内外の関係団体との相互交流、協力事業 *主な活動 ・傘下団体との連絡のほか、月刊の点字情報誌「点字日本」、録音テープ版  情報誌「日盲連アワー」、年4回発行の墨字版機関紙「愛盲時報」を発行  しています。 ・理事会、評議員会、総合企画審議会が置かれているほか、青年、女性、  音楽、あはき(あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう)、スポーツの5つの  協議会が設置され、課題ごとに専門的に取組んでいます。 ・全国盲人福祉大会等の開催  全国盲人福祉大会を年1回、全国持ちまわりで開催。このほか盲青年大会、  盲女性大会、盲人音楽家大会なども開き、ノーマライゼーションの理念の  もと、あらゆる分野でのバリアフリー化をめざしています。 ・国際交流  世界盲人連合(WB∪)に加盟、国際交流を深めるとともに、情報提供、  また、海外援助などもおこなっています。 ・文化、スポーツの振興  全国盲人将棋大会、全国盲人文芸作品募集、全日本視覚障害者柔道大会、  全国フロアバレーボール大会、全国視覚障害者社会人卓球大会、全日本  グランドソフトボール選手権大会 などの文化事業やスポーツ大会を開催。 ”豊かな社会生活”の推進に努めています。 *日本盲人福祉センターは競輪の補助金を受けて建築整備されました。 視覚障害者のサポートに係る団体や、その運営にたずさわる方々にはぜひ 知っておいていただきたい組織です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.normanet.ne.jp/~nichimo/index.html ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎USBメモリを用いた高機能音声ブラウザ、「スマートブラウザリーダーUSB」  今回は、テクノツール株式会社から4月15日に発売された音声ブラウザソフト 「スマートブラウザリーダーUSB(以下SBR)」をご紹介します。  SBRはIE上のWebページをなめらかな音声で快適に読み上げ、USBメモリで 持ち運びできる視覚障害者向けブラウザ読み上げソフトです。 音声合成ソフトウェアや設定ファイルが含まれたUSBメモリを持ち運ぶことで、 移動先のパソコンでもすぐに使えます。また、読み上げ動作も速いです。  Webページを快適に読み上げるための行、句読点、文字、リンク単位など各種 読み上げ機能、目的の情報に素早くアクセスできる見出しやリンクなどへの ジャンプ機能、本文を自動判断してジャンプするおまかせ頭出し機能、検索 語句を事前登録して検索できる注目キーワード検索機能、複数のWebページで 活用できるしおり機能、読み上げ操作手順を記録・再生できるマクロ機能など を提供しています。  IE標準のキーボード操作と矢印キーだけで、ほとんどのWebページを読み 上げることができます。音声合成ソフトウェアは、音質に評価の高いHOYA サービス株式会社の「VoiceText」を使用しています。 IE8に搭載されている高度なセキュリティ機能やタブブラウズ機能などをその まま利用できます。また、Acrobat ReaderやFlash10に対応し、PDFファイルや Flashコンテンツにも対応しています。 6月13日にはIE9にも対応、テンキーパッドでも操作できるようになった Ver1.1.0がリリースされています。 ●動作環境 対応ブラウザ:Internet Explorer 9/8(※ 32ビット版IEのみ) 対応OS:Windows 7/Vista/XP(※ 64ビット版はWindows7のみ対応) 推奨メモリ:2GB以上(※ WindowsXPの場合、1GB以上) ハードディスク:100MB以上の空き容量 USBポート:USB1.1以上(※ USB2.0推奨) セット内容:USBメモリ4GB(マニュアル、音声合成ソフト含む)、導入および リカバリー用DVD、導入案内書(墨字/点字)、ライセンス証書 標準価格:\28,350(税込) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.ttools.co.jp/product/eyes/SR/index.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎京都ライトハウス創立50周年記念機器展示会を開催 京都ライトハウスは、創立50周年を記念して「生活を豊かにする機器用具展」 を開催します。 *日時:7月10日(日) 10:00〜16:00 *場所:京都ライトハウス(ライトハウス全館にて開催します) *内容:最新機器の展示、講演体験(視覚障害者用の携帯電話やサピエなど)、  各種相談(機器に関して利用できる福祉制度の説明や、地デジ対応について  など)、京視協紹介、喫茶、用具販売 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.kyoto-lighthouse.or.jp/ ◎「第20回 視覚障害リハビリテーション研究発表大会 in 九州」を開催 視覚障害リハリビテーション協会は、東日本大震災や、視覚障害者のホーム からの転落事故などを踏まえて、もう一度視覚障害者支援のあり方について 見つめ直す機会として、長崎県島原市で「第20回視覚障害リハビリテーション 研究発表大会」を開催します。 *開催日:8月19日(金)〜21日(日) *会場:島原復興アリーナ *プログラム概要:開会式、教育講演、口頭発表・ポスター発表、特別講演、  機器展示など  視覚障害リハビリテーションのあり方を語る会、懇親会 *事前参加登録期間:7月12日(火)まで ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.jarvi.org/conf/conf20/annai1104.html ◎Office 2010キー操作マニュアル(第3期分)を公開 NPO法人SPANは、Webサイト上に「Office 2010キー操作マニュアル」の第3期分 を公開しました。 このマニュアルは、Word、Excelを含むOffice 2010を視覚障害者がキーと音声 で操作するための手順を示したものです。 残りの内容についても順次公開していく予定です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/office2010_manual/top.html ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見  など何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 東日本大震災から3ヶ月余りが経ちましたが、復興への道のりはまだまだ険しい ものがあります。多くの視覚障害者が被災している現状に対して、私たちに 何ができるのかを問い直してみる必要があると思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は7月22日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━