━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2013年4月号 No.78                       2013年4月26日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  Excel基礎(14)   セルの書式設定(罫線の種類の変更) ● プロフェッショナルコース  Windows8 [Windowsロゴ]キーを使用したショートカット その2 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  iPad 触れてみましたか? その4 [2] サポートお役立ちサイト  障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  わかば基金(NHK厚生文化事業団) [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  点字、手書き、DVDなどいろんなものが読めるべえ、「よむべえスマイル」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会(2013 新潟)  兼 新潟ロービジョン研究会2013 を開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎Excel基礎(14)  セルの書式設定(罫線の種類の変更) 前回は、予定表の外枠と、内側の枠線のところに罫線を引く操作方法を 説明しました。 同じ表を利用して、罫線の線の種類を変更する操作を説明します。 3行目の項目の下側を二重線に変更します。 次に各項目の間の線を点線に変更します。 なお、今回「セルの書式設定」のウィンドウはショートカットキーで 開いた場合で説明します。 1.セルA3を選択した状態で[Shift]キーを押しながら[右方向]キーを押して、  セルC3まで範囲選択をします。 2.[Ctrl]キーを押しながらフルキーの[1]キーを押して、「セルの書式設定」の  ウィンドウを開きます。 3.[Ctrl]キーを押しながら[Tab]キーを押して「罫線」を設定するための  タブシートに切り替えます。  なお、「セルの書式設定」を開いた直後では、[左右方向]キーを  押すことでも各タブシートを選択することができます。 4.[Tab]キーを押して「線の種類」に移動し、[上下方向]キーを押して  「二重線」を選択します。  Pc-Talkerでは[Tab]キーで移動したとき、「線の種類」ではなく、  「実線の選択」と読み上げます。 5.[Tab]キーを押して「下の切り替え」のチェックボックスに移動し、  [Space]キーを押してチェックを入れます。 6.[Tab]キーを押して「OK」ボタンに移動して[Enter]キーを押します。  ⇒選択範囲の下が二重線に変更されます。 では、同じ要領で各項目の間の線を点線に変更します。 この場合は、セルA3とセルB3のセルの右側のみ点線になればよいので、 それぞれのセルで同じ操作をします。 1.セルA3を選択します。 2.[Ctrl]キーを押しながらフルキーの[1]キーを押して、「セルの書式設定」の  ウィンドウを開きます。 3.ここでは「罫線」のタブシートが開くので、[Tab]キーを押して  「線の種類」に移動し、[上下方向]キーを押して「点線」を選択します。 4.[Tab]キーを押して「右の切り替え」のチェックボックスに移動し、  [Space]キーを押してチェックを入れます。 5.[Tab]キーを押して「OK」ボタンに移動して[Enter]キーを押します。  ⇒選択したセルの右側が点線に変更されます。  次に、セルB3に移動して、上記と同じ操作を行います。  ⇒各項目の内側の線が点線に変更されます。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Windows8 [Windowsロゴ]キーを使用したショートカット その2 2月に引き続き、[Windowsロゴ]キーを使用したショートカットについて 説明します。 1.[Windowsロゴ]キー+[左方向]キー フォーカスを持っているウィンドウが  画面の左半分の大きさで表示されます。 2.[Windowsロゴ]キー+[右方向]キー フォーカスを持っているウィンドウが  画面の右半分の大きさで表示されます。 補足 [Windowsロゴ]キー+[左方向]キーの後、[Alt]キー+[Tab]キーで アプリケーションを切り替えます。そして、[Windowsロゴ]キー+ [右方向]キーを押せば、画面が左右に分割された状態で、2つのアプリが 並びます。 前回説明した[Windowsロゴ]キー+[X]キー 「クイックリンク」 メニューについて説明します。 ほとんどの項目は、コントロールパネル(非カテゴリ表示)にある項目を 呼び出す機能です。 カテゴリー表示になじめない、私のような古いユーザーにとっては、便利な 機能です。 上から下記の項目が並んだメニューが表示されます。 (1)「プログラムと機能(F)」 コントロールパネルにある機能です。   プログラムのアンインストールや変更、修復などを行います。 (2)「電源オプション(O)」 コントロールパネルにある機能です。   画面の明るさ、ハードディスクの回転が止まるまで、またスリープに   なるまでの時間などを調整します。 (3)「イベントビューア(V)」 高度なシステム管理で使用するので、説明を   省きます。 (4)「デバイスマネージャ(M)」 パソコンに用意されているデバイスの状態を   確認、または調整する時に使用します。 (5)「ディスク管理(K)」 高度な設定ができますが通常は必要ありません。 (6)「コンピュータの管理(G)」 高度な設定ができますが通常は   必要ありません。 (7)「コマンドプロンプト(C)」 MS-DOSの画面が開きます。Windows7までは、   スタートメニューから、すべてのプログラムにアクセサリがありました。   そこにあった「コマンドプロンプト」と同じです。 (8)「タスクマネージャ(T)」 [Ctrl]キー+[Shift]キー+[Esc]キーと   同じウィンドウが開きます。   現在動作しているタスクの一覧が表示されます。タスクを選ぶと、   「タスクの終了」ボタンが有効になります。反応しなくなったプログラムを   強制終了したい場合に使用します。(必ず終了できるとは限りません)   また、各タスクが使用しているメモリやディスクの状況を知ることが   できます。   タスクとは、プログラムと近い意味ですが、もっと細かい単位です。   ワードやエクセルが動作していなくても、Windows OSが起動していれば、   細かな作業をする小さなプログラム、つまりタスクが動作しています。 (9)「コントロールパネル(P)」 コントロールパネルを開きます。 (10)エクスプローラ(E) コンピュータが開きます。要するに   [Windowsロゴ]キー+[左方向]キーの後に[E]キーを押せばコンピュータが   開きます。 (11)「検索(S)」 検索画面が開きます。 (12)「ファイル名を指定して実行(R)」 [Windowsロゴ]キー+[R]キーと   同じです。ファイル名を入力して実行する画面が開きます。 (13)「デスクトップ(D)」 デスクトップ画面(従来の画面)が開きます。 次回は、ピン止めを活用した画面のカスタマイズについて説明します。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎iPad 触れてみましたか? その4 前回ご案内した、視覚障害に関わるアクセシビリティ機能については 確認しましたか? 特に注意しなければならないのは、VoiceOverを有効にすると、操作方法が 変わってしまうことです。 VoiceOver有効時の、ゼスチャーの基本的な操作方法については、 設定画面のところで案内がありますね。 使用する方の視力の程度に応じて、VoiceOverを有効にしたり、色の反転や ズーム機能を有効にするなど、その方に応じた設定をしておくとよいですね。 また、少しは見えるので、通常はVoiceOverは有効にしないけれど、 メールを読んだりするのはちょっと辛い場合であれば、ホームボタンを トリプルクリックすることで、有効にしたり、解除することもできます。 具体的な操作・設定方法などについては、以下のURLを参考にしてください。 Apple - サポート - iPad http://www.apple.com/jp/support/ipad/ VoiceOverのジェスチャについて http://help.apple.com/iphone/5/voiceover/ja/iph3e2e2281.html iPhone概論/取扱説明書(マニュアル)集 http://arigato-ipod.com/iphone-manuals.html 見えなくても使えるiPhone -- 目次 http://info.iccb.jp/voiceover/ おまけ 今、目の不自由な方の中で、話題になっているアプリです。 視覚障害者向け画像認識カメラ iPhone 3GS、iPhone 4、iPhone 4S、iPhone 5、iPod touch(第3世代)、 iPod touch (第4世代)、iPod touch (第5世代)、およびiPad 対応の TapTapSee - https://itunes.apple.com/jp/app/taptapsee-blind-visually-impaired/id567635020?mt=8 詳細 TapTapSeeは、視覚障害者が物を識別するのを補助する目的で開発されました。 識別したい対象にカメラを向け、画面を2回タップして写真を撮ると、それが 何であるか音声で読み上げます。(注:音声での読み上げを有効にするため、 本体の設定でVoiceOverを有効にしてください) TapTapSeeは、日々の生活において視覚障害者の自立を支える、無料の アプリです。 最初のリリース以後好評を博しており、日々数千枚もの写真が撮影されて います。視覚障害者コミュニティにおける反響も良好で、いくつもの レビューやPodcastで取り上げられました。 つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書 平成24年度(2012年度)、大学、短期大学及び高等専門学校における 障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書が出されました。 その調査目的は、平成24年度(2012年度)、大学、短期大学及び 高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態把握です。 私が学生の時と隔世の感がありますが、個々のケースこそ大切かと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.jasso.go.jp/tokubetsu_shien/chosa1201.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎わかば基金(NHK厚生文化事業団) 〜地域に根ざした福祉活動を進めているグループに、支援金や リサイクルパソコンを贈って応援しています〜 今回は助成金情報です。 *基金概要 支援金部門と、リサイクルパソコン部門に加え、平成24年度は、 東日本大震災の被災地支援金部門を新たに設けました。 *支援金部門 ・1グループにつき、最高100万円(およそ10グループを支援予定) ・国内のある一定の地域に福祉活動の拠点を設け、この支援金で活動の輪を 広げたいというグループが対象 *リサイクルパソコン部門 ・ノートパソコン、50から100台 を準備(1グループにつき、3台まで) ・パソコンを利用することによって、地域で活発な福祉活動に取り組み、 高齢者や障害者に直接役立つ活動をすすめているグループが対象 ※このリサイクルパソコンは、NHKならびにNHK関連団体から 提供いただいたものです。 *東日本大震災被災地支援金部門 ・1グループにつき、最高100万円(およそ5から7グループを支援予定) ・東日本大震災の被災地に活動拠点があり、その地域で福祉活動を すすめているグループ ・支援金で活動場所の再整備をすすめたい、被災地に必要な新たな事業を 展開したい、と考えているグループなどが対象 ●第25回 地域福祉を支援する「わかば基金」募集 次の3つの方法で、ボランティアグループやNPO法人の活動を応援します。 ・支援金部門(全国) ・リサイクルパソコン部門(全国) ・東日本大震災被災地支援金部門 なお、1つのグループからの複数部門への申請は受け付けませんので ご注意ください。 *支援対象(3部門共通) 地域に根ざした福祉活動を展開しているグループ。 法人格をもっている団体は対象になりません。ただし、NPO法人は 対象になります。 *支援内容・金額 ・支援金部門(全国)  1グループにつき、最高100万円  およそ7グループを支援予定  申請書に希望金額、使途などを明記 ・リサイクルパソコン部門(全国)  1グループにつき、3台まで  総数50台支援予定  申請書にパソコンの使用目的を明記 ・東日本大震災被災地 支援金部門  東日本大震災の被災地に活動拠点があり、その地域で福祉活動を すすめているグループ  1グループにつき、最高100万円  およそ5グループを支援予定  申請書に希望金額、使途などを明記 *申請受付期間 2013年4月1日(月曜日)〜5月31日(金曜日)必着/郵送のみ *選考 当事業団内に設けられた選考委員会で審査のうえ、支援先を決定します。 *結果の通知 8月末に、申請したグループに結果を郵送 該当する団体は、ぜひ申請してみてはいかがでしょうか。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.npwo.or.jp/wakaba/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎点字、手書き、DVDなどいろんなものが読めるべえ、「よむべえスマイル」  今回は、3月1日に株式会社アメディアから発売された視覚障害者の生活と 読書を支援する音声拡大読書機「よむべえスマイル」をご紹介します。  「よむべえスマイル」は、文字を音声で読み上げ、画面で大きく表示する 音声と拡大表示両用の読書機です。活字印刷物(日本語と英語)、書籍、新聞や 雑誌、請求書やレシート、通帳、丁寧に書かれた手書き文書(書き方によって 読み取り精度にかなりの差が出ます)、白紙に打たれた片面点字(日本語)など さまざまな文字を読み上げることができます。 画面が接続してあれば、拡大表示も可能です。17インチ画面接続時で最大 40倍までの拡大が可能で、画像のカラー表示やコントラスト調整などの機能が 利用できます。  付属のディスクドライブにセットすることで、音楽CD、DVD、デイジー図書、 PC用電子データ(Word、Excel、PDF、EPUB、BES、MIDIなど)の判別・ 再生が可能。読み取った内容をテキストファイル、HTML、MP3、 デイジーデータのいずれかでUSBメモリーや携帯型デイジープレーヤーに 転送できます。 *本製品は日常生活用具制度対象製品です。 ●本体機器仕様 型番:YS-1000 外形寸法:幅260×奥行き385×高さ110mm 重量:6.6kg 消費電力:30ワット 電源供給:AC100V(50/60Hz) 音声出力:ヘッドホン出力端子(ステレオ)、内蔵スピーカー(モノラル) 外部インターフェース:USB2.0準拠 光学ドライブ:CD/DVDドライブ 画像出力:アナログRGB ミニD-sub15ピン 標準付属品:電源ケーブル、簡単プレート、活字取扱説明書、音声取扱説明書 (音楽CD形式) 本体価格:198,000円(非課税) 保証期間:1年間 4年間延長保証:48,300円 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.amedia.co.jp/product/ys/ ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会(2013 新潟)  兼 新潟ロービジョン研究会2013 を開催 視覚障害リハビリテーション協会では、新潟市に置いて、視覚障害 リハビリテーション研究発表大会を開催します。 *メインテーマ:「見えない」を「見える」にする「心・技・体」 *開催日:6月21日(金) プレカンファレンス  6月22日(土)・23日(日) 本大会 *会場:チサン ホテル & コンファレンスセンター 新潟  新潟大学駅南キャンパスときめいと *内容:特別講演、招待講演、シンポジウム、特別企画、一般講演、  ポスター発表、機器展示 ほか *事前申し込み締切:5月15日(水) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.jarvi.jp/guests/info/info20130622.html ◎夜間講座「Outlook 2010の基本操作」を開催 NPO法人SPANでは、キーボードと音声でのOutlookの操作を学ぶための講座を 5日間コースで開催します。 *開催日:6月4日(火)・11日(火)・18日(火)  、25日(火)、7月2日(火) 5日間コース *時間:18:45〜20:45 *場所:SPAN☆三田スカイプラザ *募集定員:4名 * 受講条件:キーボードとスクリーンリーダーでのパソコンの操作ができる方  (JAWSでなくて構いません)  パソコンでのメール操作の経験のある方(Outlookでなくて構いません) *受講料:20,000円(5日間、テキストを含む) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/activity/schedule.html#20130604-0702 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽にお寄せ  ください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 最近は、スマートフォンやタブレット端末が脚光を浴びていて、パソコンの 影が少し薄いような気がしています。 でも、パソコンも携帯端末も、視覚障害者がICTを使うためには大切な ツールだと思います。 これからも、新しい技術への関心を持ちながら、地道な使い方も忘れずに 情報提供をしていきたいと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は5月24日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━