━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2013年11月号 No.85                       2013年11月22日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  音声も拡大も使わない弱視 ● プロフェッショナルコース  Windows8.1について ● 【コラム】 パソコンよもやま話  パソコンの構成部品 [2] サポートお役立ちサイト  大活字文化普及協会 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  東京都視覚障害者生活支援センター [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  点字ディスプレイの新たな形、「ブレイルメモスマート16」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  「ロービジョンサポートフェア in 姫路」 開催のお知らせ ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎音声も拡大も使わない弱視 視覚障害者のパソコン操作は、音声ソフトとキー操作だけでなく、 拡大ソフトの活用や、その両方を活用している人など、さまざまであることは 何度も書きました。 でも、それらを全く使っていなくてパソコン操作をしている弱視が たくさんいます。 「そんな人は、一般のパソコン教室に行けばよいのでは」と 疑問に思う方も多いと思います。でも、一般のパソコン教室には なかなか行けないのです。なぜでしょうか。 私は、一般の教室では、間(ま)がないのだと思います。見えずらい中で、 講師の示す資料などを素早く読み取れない中で、確認ができないままに、 どんどん進んでいくのです。 視覚障害者を対象とした講座においては、いろいろな支援ソフトの活用は 受講者によって相違していますが、この間(ま)の取り方は 共通だと思います。 単純なようですが、自分の見えづらさをきちんと認めてくれて、 無理なく確認の作業を重ねることができるためには、この間(ま)が 不可欠なのです。 ですから、もっと視覚障害者のためのパソコンサポートの活動は、 このような弱視に対しても広がっていく必要があると思います。 そして、もう一つの課題は、音声とキー操作がどのように 役立つかということも、体験をもって知ってもらうことだと思います。 拡大ソフトの活用は、非常にイメージがわきますが、弱視にとっての 音声とキー操作の利点を理解するためには、実際の操作の体験が 不可欠だと思います。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Windows8.1について 今回はWindows8.1について説明します。 スタートボタンの追加が話題になりました。 リリース前の噂では、スタートボタンとスタートメニューが復活との 情報もありましたが、そうではありません。 従来と互換性の高いデスクトップ画面のタスクバーの左端には 「スタートボタン」が追加されました。このボタンは、 [Windowsロゴ]キーを押した場合に、新しいスタート画面が表示されます。 つまり、マウスを使用しない場合、スタートボタンが追加されたことにより、 利用法が変わることはありません。 重要な変更は、[Windowsロゴ]キー+[X]キーで表示されるメニューの下部に 「シャットダウンまたはサインアウト」が追加されたことです。 サブメニューには「サインアウト」「スリープ」「シャットダウン」 「再起動」があります。 更新すべき情報がある場合は「更新してシャットダウン」 「更新して再起動」になります。 これで、電源ボタンを押さないで終了ができます。 Windows7までは、WindowsUpDateを実施した場合、再起動だけでは 更新が実施されないことがありました。とても良い機能です。 さて、デスクトップ画面で[Windowsロゴ]キーを押すと 「スタート画面」になります。ここで[Tab]キーを押すと、 下向きの矢印が表示されます。ここで[Enter]キーを押すと 「アプリ」の画面が表示されます。 当初はアイコンが「名前順」で表示されています。[下方向]キーまたは [上方向]キーを押すと、「インストール日順」「使用頻度順」 「カテゴリ順」を選ぶことができます。 ここで、[Tab]キーを押すと検索または絞り込みのエディットに移動します。 たとえば、ここで[M]キーを押すと、関連するアイコンだけが表示されます。 関連する検索なので、[M]キーを押した場合、先頭が「M」だけでなく、 スペルに「M」を含むアイコンに加えて、英訳した場合に 「M」を含むと思われるアイコンも表示されます。たとえば、「ミュージック」 「メール」「地図」などが表示されます。 ここで、[Tab]キーを押した後、[上下方向]キーで順に並んだアプリの アイコンを選ぶことができます。[Enter]キーで実行できます。 [アプリケーション]キーを押すと、以前のコンテキストメニューに 対応する情報が、画面の下部に表示されます。ピン止めなどの設定情報を 得ることができます。 この様にWindows8以後の場合、アプリを起動する方法がいくつもあるため、 混乱することがあるかもしれません。まず、一つの方法について、 しっかりと身につけることが必要と思います。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎パソコンの構成部品 その1 パーソナル・コンピュータ(パソコン)が世に出て、40年近くが過ぎました。 当初はマイコン(マイクロ・コンピュータ)等とも呼ばれていて、 トレーニングキットなども発売されていたことを懐かしく思い出します。 そして、その当時のパソコンと、現在のパソコンを比較しても、 主要構成部品としては基本的には変わっていません。 ただ、性能、容量、スピードなど格段の差があります。 ・計算処理をするCPU central Processing unit ・作業領域としてのメインメモリー ・ソフトウエアや、データを保存する記憶装置 ・マンマシンインターフェースとしての、入力/出力装置 ・他のパソコンや外部機器とのデータのやりとりをするための、インターフェース ・装置を保護するケース ・パソコンを駆動させるための電源装置 ・その他 つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎大活字文化普及協会 〜大きな文字の本がいっぱい〜 文字を読むのが不自由な弱視者や高齢者が気軽に読書を楽しめるよう、 普通の本より文字を大きくした「大活字本」を扱う専門書店「Viva神保町」が 東京・神保町にオープン。 弱視者の読書は、楽しみといいうより、苦しみともいえます。 眼を本にくっつけて鼻の頭を黒くして、ルーペで必死に読むことは、 本当に大変なことです。 この書店をステップに、大きな活字の本がたくさん 出版されるとよいですね。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.daikatsuji.co.jp/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎東京都視覚障害者生活支援センター 〜見えなくなった(見えづらくなった)ことで、 困っていることはありませんか?〜 事業案内 東京都視覚障害者生活支援センターは、障害者総合支援法における機能訓練と 就労移行支援を実施している多機能型事業所です。 「機能訓練」 日常生活上、身に付けておいた方が良い単独歩行や点字、パソコン、さらには 調理や裁縫といった技術を習得していただくことを目標とします。 定員は25名です。 「就労移行支援」 今後、一般就労を考えている方を対象に、パソコンやビジネスマナー等を 身に付けていただくことを目標とします。定員は15名です。 機能訓練 見えなくなった(見えづらくなった)ことで、 困っていることはありませんか? 生活の上でしづらくなってしまったさまざまなことを、 見えにくさの軽減や、見る以外の方法でできるようにし、あなたの生活を 一緒に考えていく。 それが機能訓練です。 安全な歩行 〜白杖を使用した一人歩き〜 ・歩行トレーニング 自宅の近くを歩くことや、バス・電車を利用して外出することなど、 あなたが一人で行けるようになりたい場所へ行くための トレーニングをします。 快適な日常生活動作 〜身の回りや家庭生活をやり易く〜 ・ADLトレーニング お金の識別、お茶を入れる、調理などの日常生活におこる 不便さを解消するトレーニングをします。また、 見えない・見えにくい方向けの用具の紹介も行っています。 広がるコミュニケーション 〜文字の読み書きと、情報の収集と発信〜 ・点字トレーニング ・パソコントレーニング ・情報機器トレーニング 文字の読み書き手段や記録の選択肢の一つとして、 点字や、ICレコーダー等を使うことができるようにトレーニングをします。 また、パソコンや情報機器の活用により、電子メールやホームページ、 ワープロなどを利用し、情報の発信・受信をすることが できるようになります。 音声化された本を読む等、あなたの楽しみも増えていくように トレーニングをしていきます。 見えにくさの軽減 ・ロービジョントレーニング 文字を拡大して見ることができる機器(ルーペや拡大読書器)の紹介、 まぶしさが軽減し、コントラストも向上するサングラス(遮光眼鏡)の 紹介などをおこなっています。 トレーニング終了後の生活に関する相談 日常生活上の難しさや悩みについて、これからの生活について、 一緒に考えていきます。必要に応じて、他機関と連携を取っています。 その他 集団プログラムとして、ヨガなどの軽運動、施設の見学、 新年会などがあります。サークル活動として、華道、茶道、折り紙、 英会話の場所を提供しています。 また、ボランティアによる対面朗読などもあります。 地域生活中心 家庭や地域で活躍することの仕事を生活の中心におきます。 また、もともとやっていた趣味やサークルを再開したり、 生涯学習の講座へ参加したり、社会参加などの方向を考えていきます。 ボランティア活動に参加しに出たり、ピアカウンセリングの講座を受けたり、 視覚障害者団体の会などに入って活動したりしています。 働く場を目指してトレーニングをしたり進学をする あん摩・マッサージ・指圧師の資格を取って働くことを目指し、養成施設に 進学をしたり、事務系職種への就職を目指して当センターの 就労移行支援に進む方もいます。 さらにその他の職業訓練施設に進んだり、大学や専門学校等に 進む方もいます。 様々な事情で企業などへの就職が困難な場合、自分のペースにあった生き方や 働き方ができるところへ進む方もいます。 職場復帰や就職活動 休職や研修扱いなどでトレーニングを受けていた方は、もとの職場へ 復職します。もともと資格などをもっていた場合、すぐに 就職活動に入る方もいます。 ここの活動を知ることで、視覚障害者へのリハビリテーションについての 理解が深まると思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.tils.gr.jp/white/index.html ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎点字ディスプレイの新たな形、「ブレイルメモスマート16」 今回は、KGS株式会社から11月1日に発売された次世代型点字ディスプレイ 「ブレイルメモスマート16(BMS16)」をご紹介します。 ブレイルメモは、複数マスのタッチカーソル付き点字表示部と 各種入力キーを持ち、点字編集機能が充実した小型軽量の 点字ディスプレイです。バッテリー内蔵の携帯仕様なので、外出先で手軽に メモを取ったり、確認できます。 BMS16は、これまでのブレイルメモの機能そのままに大幅パワーアップ! 点字だけでなくテキストのデータ作成/編集が可能になりました。 また、現在の状態や、操作内容を音声で確認できる音声読み上げ機能、 周囲の音声を録音できるボイスメモ機能、デイジー図書の再生機能などを 搭載しました。 外部メモリはUSBメモリの他、SD/SDHCカードにも対応。 もちろんブレイルメモで可能だった点字文章の読み書き、 カレンダーでの予定調整、時計やアラームなどアクセサリー機能も健在。 スマートフォンとの連携も含め、さらにもっと今後様々な機能が 搭載される予定です! *市町村により日常生活給付用具の点字ディスプレイとして 給付される場合があります。 ●仕様詳細 外形寸法:W188mm×D118mm×H20.5mm 重量:約500g インターフェース:USB、Bluetooth 外部メモリ:USBメモリ、SD/SDHCカード 音声出力:内蔵スピーカー(モノラル)、イヤフォンジャック(ステレオ) 音声入力:内蔵マイク 対応音声形式:MP3、WAV 対応DAISY形式:DAISY Ver.2.0以降 映像出力:アナログRGB 電源:家庭用AC100V、着脱式バッテリーパック3個 対応OS:WindowsXP(SP2以降)、Vista、7、8 価格:303,450円(税込) ▼詳しくは下記のURLを1行にしてからご覧ください。 http://www.kgs-jpn.co.jp/index.php?%E8%A3%BD%E5%93%81%E8%A9%B3%E7%B4% B0#f7c08c23 ※上記URLが長いため、途中で改行しています。 ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎「ロービジョンサポートフェア in 姫路」 開催のお知らせ 神戸アイライト協会では、姫路にて見えない・見えにくい方のための 相談会を開催します。日ごろ見えない、見えにくいことで お困りのことがあれば専門相談員に相談できます。 また、ルーペ・拡大読書器・音声パソコンなど実際に触って試せます。 別階でミニ講座も開催されます。 *日時:2013年12月15日(日) 12:00〜16:00 *会場:姫路・西はりま地場産業センター 「じばさんびる」9階・6階 *内容:見えない、見えにくいことでお困りのことについての相談、  拡大読書器・ルーペ・便利グッズの紹介と体験、  音声パソコン体験、  ミニ講座等 *参加費:無料 *お問い合わせ:特定非営利活動法人 神戸アイライト協会  Tel:078-221-6019  E-Mail:kela2009eyelight@ac.auone-net.jp   事務局 和田 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://eyelight.eek.jp/h25lvhimeji.html#main ◎「第24回アメディアフェア」開催のお知らせ アメディアフェアは、株式会社アメディアが毎年行っている視覚障害者の 祭典です。 *日時:2013年12月23日(月) 10:30〜16:30 *会場:東商センター3階 *内容:視覚障害者向け最新機器の展示会及び講演、商品抽選会、  スワンベーカリーの焼きたてパン販売等 *入場料:無料 *主催:株式会社アメディア ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.amedia.co.jp/event/amediafair/index.html ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 今年のサイトワールドでも、さまざまな新製品が紹介されていました。 こんなに多くの視覚障害者向けの機器やソフトウェア、また関連用品が 手に入るようになり、視覚障害者の生活環境は、以前とは比較にならないほど よくなっていると思います。 これからは、これらをどう使いこなしていくかが課題でしょう。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は12月27日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━