━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2014年2月号 No.88                       2014年2月28日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  Excel基礎(19)   列の非表示/再表示 ● プロフェッショナルコース  Microsoft Word 2010と、Microsoft Word 2013の違いについて ● 【コラム】 パソコンよもやま話  パソコンの構成部品 その4 [2] サポートお役立ちサイト  ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  パソボラさーくる虹 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  ポケットに入れて録音できるスタイリッシュなICレコーダー、「RR-XP007」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  スマホ・タブレット等利用状況調査報告会を開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎Excel基礎(19)  列の非表示/再表示 前回は業務日誌を利用して行高の変更方法を説明しました。 今回は表の列や行の非表示、再表示の操作方法について説明します。 仮の部員名簿を利用して、列の非表示について説明します。 A1から右に「背番号」、「氏名」、「住所」、「連絡先」、 「ポジション」の順に入力します。 各項目の下方にそれぞれ名簿の内容が入力されているとしましょう。 ここでは、「氏名」、「住所」、「連絡先」の項目を非表示にします。 まずは、非表示にする項目のセルを選択します。 1.「氏名」のセル、b1を選択します。 2.[Shift]キーを押しながら[右方向]キーを押してセルd1まで選択します。  これでセルb1、c1、d1が選択されました。 3.[Alt]キーを押してリボンに移動します。 4.[左右方向]キーを押して「ホーム」タブに移動します。 5.[Tab]キーを押して「書式」のドロップダウンボタンに移動して  [Enter]キーを押します。「書式」のメニューが開きます。 6.[下方向]キーを押して「非表示/再表示」に移動して[Enter]キーを  押します。「非表示/再表示」のメニューが開きます。 7.[上下方向]キーを押して「列を表示しない」に移動して[Enter]キーを  押します。 するとb列の「氏名」、c列の「住所」、d列の「連絡先」が全て 非表示になります。 次に列の再表示の方法について説明します。 非表示にした列を再び表示させるには以下の操作を行います。 上記で非表示にしたセルB1、C1、D1を再び表示させるには、 セルA1「背番号」からセルe1「ポジション」を範囲選択します。 1.セルA1を選択します。 2.[shift]キーを押しながら[右方向]キーを押してセルe1まで選択します。 3.[Alt]キーを押してリボンに移動します。 4.[左右方向]キーを押して「ホーム」タブに移動します。 5.[Tab]キーを押して「書式」のドロップダウンボタンに移動して  [Enter]キーを押します。「書式」のメニューが開きます。 6.[下方向]キーを押して「非表示/再表示」に移動して[Enter]キーを  押します。「非表示/再表示」のメニューが開きます。 7.[下方向]キーを押して「列の再表示」に移動して[Enter]キーを押します。 b列の「氏名」、c列の「住所」、d列の「連絡先」が全て再表示されます。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Microsoft Word 2010と、Microsoft Word 2013の違いについて Microsoft Word 2010と、Microsoft Word 2013を比較してみます。 Microsoft Word 2010は起動すると、ワードの入力画面になります。 Microsoft Word 2013は、「最近使ったファイル」と 「オンラインテンプレート」を選ぶ画面になります。 そのまま[Enter]キーを押すと、従来の入力画面になります。 ファイルメニューから「開く」を選んでも大きな違いがあります。 Microsoft Word 2010はファイルを開くダイアログがひらきます。 Microsoft Word 2013の場合は、ファイルメニューから「開く」を選び、 [Tab]キーを1回押すと、[上下カーソル]キーで「最近使った文書」「XXさんの OneDrive」「コンピュータ」「場所の追加」などを選ぶことができます。 ※注意:SkyDriveはOneDriveに代わりました。 「最近使った文書」を選んだ状態で[Tab]キーを1回押すと、 [上下カーソル]キーで最近使ったファイルのリストを選ぶことができます。 「コンピュータ」を選んだ状態で[Tab]キーを1回押すと、 [上下カーソル]キーで最近使ったフォルダを選ぶことができます。そのまま [上下カーソル]キーで「参照」まで移動して[Enter]キーを押すと、 やっとファイルを選択するフォルダが開きます。 また、ファイルメニューに追加されたアカウントからは、 「サービスの追加」があります。 「画像とビデオ」からは「YouTube」 「ストレージ」からは、「Office 365 SharePoint」「OneDrive」 「共有」からは、「Twitter」などを選ぶことができます。 office2013は、クラウドや、近年のネットワーク環境に合わせた 機能追加であることが分かると思います。 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎パソコンの構成部品 その4 ・ソフトウエアや、データを保存する記憶装置 日本語ではメインメモリーの主記憶装置に対して、補助記憶装置、または 外部記憶装置とも呼ばれています。 コンピュータ内でデータやプログラムを記憶する装置です。 ハードディスク(HDD)や、最近ではソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、 SDメモリー、USBメモリー、CD-R/RW、DVD-R/RW、Blu-ray Disc、 最近はほとんど使用されていませんがフロッピーディスク、MO、 磁気テープなどがこれにあたります。磁気的に記録を行うものや、 半導体メモリーが多いため、記憶容量が大きいものが多く、電源を 供給しなくても記録が消えないという特徴があります。 SSDなどの半導体を使用したもの以外は動作が遅く、CPU(中央処理装置)からは 内容を直接読み書きすることはできません。コンピュータ内にはこれとは別に 半導体素子を利用して電気的に記録を行う主記憶装置(メインメモリ)が 装備されており、利用者がプログラムを起動してデータの加工を行う際には 必要なものだけ主記憶装置に呼び出して使い、長期的な保存には 外部記憶装置が利用されます。 つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業 アジア諸国から若い障害者達が日本で障害者の自立に向けた様々な実践を 学びに来日しています。 視覚障害者の方も研修を受けに来日しています。 留学期間は10か月と短いのですが、研修内容は大変興味深い内容です。 目的には、「研修修了生は国や地域、障害種別を越えてネットワークを築き、 地域社会のリーダーとして活躍することが期待される」とされています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.normanet.ne.jp/~duskin/our-program/index.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎パソボラさーくる虹 〜あなたの力を誰かのために、小さな勇気が大きな力に〜 *活動分野 障がい者、教育・学習支援、ITの推進 *設立以来の主な活動実績 パソボラさーくる虹は当時、国立福岡視力障害センターに勤務されていた 全盲の故塚原幸雄氏がパソコンの有用性と利便性を体験し、 この素晴らしさを同じ視覚障がい者に享受して貰うべく、趣旨に賛同した ボランティアの協力を得て1998年10月に設立されました。 ユーザー(視覚障がい者)、サポーター(ボランティア)共に、同額の 会費を出し合って会を運営しております。 経験を積んだユーザーもサポーターと共に、後進の指導や運営などに進んで 携わっております。 無駄な出費を極力抑えるために、有給職員を置かず、役員を含めすべての 会員の活動はボランティア活動で運営しております。 *団体の目的 本会の目的:パソコンの指導を通じ、視覚障がい者の情報バリアフリーを 支援すると共に、社会参加と自立の促進に寄与することを 目的としております。 *業務: (1)毎月1回の研修会を開催してパソコンの指導を行う (2)訪問サポート(パソコン購入の同行・介助、個人的指導、  トラブル解決への手助けなど) (3)ホームページの運営による社会的理解促進の努力 (4)メーリングリスト運営による会員相互間の情報交換 (5)電話や電子メールによる相談受付 (6)年2回のハイキング等による親睦促進 (7)これらを企画支援するための毎月の役員会運営など *団体の活動・業務 (事業活動の概要) 視覚障がい者へのパソコン利用研修会を開くと共に、家庭訪問、電話、 電子メールなどでのサポートを行っています。 こうした地域に根差した地道な活動が多くの視覚障害者を支えています。 運営に携わる方にはぜひ知っていただきたい団体です。 ▼詳しくは下記をご覧ください http://www.niji.org/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎ポケットに入れて録音できるスタイリッシュなICレコーダー、「RR-XP007」  今回は、昨年12月6日にパナソニック株式会社から発売された音声ガイド付 ICレコーダー「RR-XP007」をご紹介します。  本製品は、胸ポケットなどに入れてスマートに録音できるスタイリッシュな スティック型のICレコーダー。クリップつきなのでポケットのふちに はさみやすく、ポケットの中でも安定するので、服のこすれによる雑音を 低減します。 録音スイッチが本体上部にあるので、ポケットに入れたままの録音操作も 簡単。  左右のマイクに伝わる音の時間差を利用し、左右の音を分離・強調。 より立体的で臨場感豊かな「ステレオ協調録音」が可能。 また、エアコンの音などの周期性のある雑音を再生時に低減する 「ノイズキャンセル再生機能」を搭載。  現在時刻や録音日時、設定内容などを音声で読み上げる 「新音声ガイド機能」、マイクで集音した音を強調して、 インサイドホンで聴ける「集音機能」(インサイドホンは別売)、小さな音と 大きな音をバランスよく調整して再生する「音声レベル自動調整」、 音程を変えずに早聞き・遅聞きできる「再生速度調整機能」など 聴きやすさへの配慮も充実。  その他、別売ニッケル水素充電式電池を使用してパソコンから充電可能。 MP3音楽ファイルも再生でき、「ファイル編集機能」「時間サーチ機能」、 語学学習などに役立つ「シャドーイング再生機能」 (シャドーイング練習用コンテンツ付属)などを搭載し、 ミュージックプレイヤーとしても活用できます。 ●動作環境 対応OS:WindowsXP,Vista,7,8,RT/Mac OS X 10.2.8-10.8 ●主な仕様 カラー:-K(ブラック)、-W(ホワイト)、-V(バイオレット)、-P(ピンク) 内蔵メモリー容量:4GB USB:USB2.0(充電時間は約4時間) 音声出力:ヘッドホン端子 φ3.5mm、推奨インピーダンス16Ω、2.5+2.5mW スピーカー出力:φ10mm、8Ω、90mW 電源:DC1.5V(単4形アルカリ乾電池1本)、DC1.2V (ニッケル水素充電式電池1本) 最大外形寸法・質量:幅16.0×高さ126.5×奥行19.8mm  約33g(乾電池含む) 付属品:単4形アルカリ乾電池×1、USB接続ケーブル 希望小売価格:オープン(約1万円前後) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://ctlg.panasonic.com/jp/audio/icrec/icrec/RR-XP007_points.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎スマホ・タブレット等利用状況調査報告会を開催 「視覚障害者の携帯電話・スマートフォン・タブレット・ パソコン利用状況調査2013」並びに「視覚障害者のセーフ・モバイル・ アクセスを実現する腕時計型点字ディスプレイの開発」の成果報告会を 開催します。 *日時:2014年3月15日(土) 10:00〜16:30 *会場:キャンパス・イノベーションセンター東京 2階 多目的室3  東京都港区芝浦3-3-6(JR田町駅から徒歩1分)  http://www.cictokyo.jp/access.html *参加費:無料 *申し込み(問い合せ)先:新潟大学 工学部 福祉人間工学科  (受付:加賀) E-mail:tmacs.request@eng.niigata-u.ac.jp *申込み締切り日:3月9日(日) 定員(50名)になり次第、締め切らせて   戴きます。 *内容:利用状況調査の報告、腕時計型点字ディスプレイの開発ほかの  報告、機器等展示 ◎土曜講座と夜間講座を開催 SPANでは、下記の通り土曜講座と夜間講座を開催します。 1.土曜講座「XP・2003ユーザーのためのWindows7・office2010の操作」  (3月29日から4日間コース) *開催日:3月29日(土)、4月5日(土)・12日(土)・19日(土) *時間:13:00〜17:00 *場所:SPAN☆三田スカイプラザ *募集定員:4名(お申込みが2名以上の場合に開催します。) *講師:北神 あきら(SPAN) *受講料:30,000円(4日間、テキストを含む) 2.夜間講座「日商PC検定3級(文書作成)受験対策」  (3月25日から6日間コース) *開催日:3月25日(火)、4月1日(火)・8日(火)・15日(火)・22日(火)・  30日(水) *時間:18:45〜20:45 *場所:SPAN☆三田スカイプラザ *募集定員:4名(お申込みが2名以上の場合に開催します。) *講師:北神 あきら(SPAN) *受講料:26,000円(6日間) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/activity/schedule.html ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽にお寄せ  ください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 間もなく(4月9日)に、Windows XPとOffice2003に対する マイクロソフトからのサポートが終了します。 一つの時代が過ぎたという感じですが、まだXPやOffice2003のユーザーは 多くいると思いますので、こうした方へのサポートは続けていかなければ ならないでしょう。 そのためには、サポートをする個人や団体の間での連携が 大切だと思いますので、これからも情報交換をしていきましょう。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は3月28日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━