━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2014年4月号 No.90                       2014年4月25日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  Excel基礎(20)   行の非表示/再表示 ● プロフェッショナルコース  パソコンの音の頭が切れる現象の対策 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  パソコンの構成部品 その6 [2] サポートお役立ちサイト  東京都人権プラザ展示室   企画展「『読む人権 じんけんのほん』 読む権利」 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  CANPAN [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  新体験の白杖、より便利に、よりわかりやすく、「電子白杖C821」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第23回視覚障害リハビリテーション研究発表大会を開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎Excel基礎(20)  行の非表示/再表示 前回は、部員名簿を利用して、列の非表示、再表示について説明しました。 今回は簡単な予定表を利用して、行の非表示、再表示の操作方法について 説明します。 予定表は仮に1行目の一列目に「時間」、同じ行の2列目に「内容」のように 項目を表示します。2行目1列目に「9時〜10時」、3行目に「10時〜11時」、 4行目に「11時〜12時」のように「17時〜18時」まで1時間刻みに時間を 表示するとします。 この予定表で、午前中の予定を非表示にして、午後の予定のみを表示すると しましょう。 まずは、非表示にする時間が表示されたセルを選択します。 行の非表示 1.セルA2に移動します。 2.[Shift]キーを押しながら[下方向]キーを押してセルA4まで選択します。 3.[Alt]キーを押してリボンに移動します。 4.[左右方向]キーを押して、「ホーム」タブを選択します。 5.[Tab]キーを押して「書式」のドロップダウンボタンを選択して、  [Enter]キーを押します。「書式」のメニューが開き「行の高さ」が  選択されています。 6.[下方向]キーを押して、「非表示/再表示」を選択して[Enter]キーまたは  [右方向]キーを押してサブメニューに入ります。 7. 「行を表示しない」が選択されているので、そのまま[Enter]キーを  押します。  ⇒2行目から4行目までの行が非表示になり、セルA1とセルB1「時間」、  「内容」のすぐ下のセルが、セルA5「13時から14時」、  セルB5「資料作成」となります。(セルB5の内容は仮に「資料作成」と  しました。) 行の再表示 非表示にした行を再び表示させるには以下の手順で操作します。 1. セルA1に移動します。 2.[Shift]キーを押しながら[下方向]キーを1回押して、セルA5まで  選択します。 3.[Alt]キーを押してリボンに移動します。 4.[左右方向]キーを押して、「ホーム」タブを選択します。 5.[Tab]キーを押して「書式」のドロップダウンボタンを選択して、  [Enter]キーを押します。「書式」のメニューが開き「行の高さ」が  選択されています。 6.[下方向]キーを押して「非表示/再表示」を選択して[Enter]キーまたは  [右方向]キーでサブメニューに入ります。「行を表示しない」が  選択されています。 7.[下方向]キーを押して「行の再表示」を選択して、[Enter]キーを押します。  2行目から4行目までの非表示になっていた行が再び表示されます。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎パソコンの音の頭が切れる現象の対策 パソコンでスクリーンリーダーの音声を再生する場合、音声のはじめの部分が 切れる場合があります。重いスクリーンリーダーや、性能の低いパソコン、 また一部の音声ドライバなどで発生することがあります。 その場合、そのパソコンで音楽を連続して再生するとよい効果がある場合が あります。もし音がうるさい場合、無音の音のファイルを再生すれば よいわけです。 無音のファイルを作成するには、アクセサリのサウンドレコーダを 使用します。 サウンドレコーダを起動後、スペースキーで録音が開始されます。 もう一度スペースキーを押すと、録音したファイルに名前をつけて保存する ダイアログボックスが開きます。 マイクの調整方法(パソコンによって異なります) 1.コントロールパネルからサウンドを選びます。 2.録音のタブに切り替えます。 3.プロパティのボタンを実行します。 4.レベルのタブに切り替えます。 5.マイク音量のスライダーに移動したら、Homeキーを押せば最低の  ボリュームになります。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎パソコンの構成部品 その6 ・マンマシンインターフェースとしての、入力/出力装置-2 前回の、キーボードについての説明の続きです。 インターフェースについて、PS/2や、USBなどの接続方法があると書きましたが 最近はブルーツースを利用した無線のものもあり、パソコン本体と離れた ソファーやリビングなどで使用する場合などに便利です。 また、視覚障害者の場合、入力手段として、ローマ字やかな入力ではなく、 点字による6点入力などを使われる場合もあります。この場合はキーボードの 同時入力ができるキーボードを選ばなければなりません。 キー配置としては、USキーボードや、JISキーボードなどがあります。 キーの構造からはパンタグラフや、メンブレン式などがあり、これらは キータッチや操作感などに影響を与えます。 文書作成など、キーボードを長時間使用される場合、キーボード選びには 十分な時間をかけることをおすすめします。 デスクトップ機の場合はキーボードの交換は容易ですし、ノートPCの場合も 自宅や会社など長時間使う場所では、USBキーボードを接続して使われることを おすすめします。 作業効率があがり、疲れも少なくなります。 パソコンショップなどに行くと、何十というキーボードが展示してあります。 じっくりと触れてみましょうね。                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎東京都人権プラザ展示室  企画展「『読む人権 じんけんのほん』 読む権利」 人権をテーマにした様々な図書を特集してきたシリーズ企画「読む人権 じんけんのほん」。その第4弾となる本展では、視覚に障害をもつ人々の 「読む権利」を実現する取り組みを紹介します。  本や新聞やホームページなど、生活に不可欠な文字情報を読むことが できない人々が多くいます。それは、全く目の見えない人だけでは ありません。小さな文字が見えない人、視力が弱い人なども 少なくありません。  見えないあるいは見えにくい状態になる理由は、事故や病気そして加齢など 様々です。超高齢化社会を迎えた今、それは誰にとっても無関係なことでは ありません。さらに、インターネットの発達により文字情報の量とその 消費スピードが格段に増大しつつあるなかで、健常者と障害者や高齢者との 情報格差の解消はまさに急務です。  障害者や高齢者が滞りなく文字情報を享受するにはどうしたら よいのでしょうか。本展を通して、すべての人がいつでも、自由に、多様な 情報へアクセスできることを保障する社会のあり方について、皆さんとともに 考えたいと思います。 会期 平成26年4月4日(金)から平成26年7月27日(日)まで 9時00分から17時00分まで 土日祝日も開館しています。会期中無休。 入場無料。 会場 東京都人権プラザ 展示室 〒111-0023 東京都台東区橋場1-1-6 電話 03-3876-5372 ファックス 03-3874-8346 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.tokyo-jinken.or.jp/plaza/tenjishitsu_201401.htm ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎CANPAN 〜様々な効能を発揮し、日本をもっと元気にしたい〜 CANPANは、"Can(できる)"と"Panacea(万能薬)"を組み合わせた造語です。 CANPANプロジェクトは、日本財団および特定非営利活動法人CANPANセンターに よる、市民、NPO、企業などの活動を支援し、連携を促進することで、 民間主体のより豊かな社会づくりに貢献することを目指す ソーシャルプロジェクトです。 *CANPAN NPO+ NPOなどの市民活動団体の情報発信支援、ファンドレイジング(寄付募集等) 支援、団体情報データベースの提供などを行っています。 CANPAN NPO+では、市民活動を行う人たちが、活動内容を情報として発信し、 その活動に共感した人が寄付などの形でこれを応援する 「活動応援サイクル」を加速するための取り組みを行っています。 市民活動に取り組む方々の情報発信をお手伝いすることを目的に、 以下のような情報発信ツールを提供しています。 これらのツールを提供するプラットフォームをCANPAN FIELDSと 呼んでいます。 CANPAN FIELDS ・トピックス イベント・セミナー情報、ボランティア情報、CSR情報など公益活動等に 関する情報発信ができるコーナーです。 公益活動に関心があるたくさんの方へ、みなさんの「伝えたい」を トピックスとして発信してください。 ・CANPANブログ 広告表示がないブログツールを無料で提供しています。市民活動にたずさわる 方々が日々の活動について積極的に発信することを応援しています。 ・団体情報データベース 市民活動に取り組むNPOなどの団体について、その活動の概要や財務状況などを 公開するデータベースを運営しています。 ・事業成果物 NPOの活動成果等に関する資料の公開。これからの活動の参考とするための ノウハウ集としてご活用ください。 ・助成制度情報 NPOなどの団体が、活動を促進するために利用できる助成制度に関する情報を 提供しています。 *ネットワーキング事業 市民、NPO、助成機関、企業、地域、行政など、様々な人・団体・組織が出会い 、つながるきっかけとなる取り組みを行っています。 ・CANPAN・NPOフォーラム NPOの組織マネジメントに必要な様々なノウハウをお伝えしたり、NPOが 活用できるITサービス・ツールを紹介する、そして参加者同士が つながるためのセミナーを定期的に開催しています。 ・NPO支援団体・企業向けサービス 地域のNPOセンターやNPO支援プログラムを実施する企業、助成機関などの NPO支援を行う組織向けに、以下の機能を提供しています。 ・CANPAN団体情報API CANPAN団体情報を自動的に取得し、リアルタイムでサイトに表示できる サイト間連携機能です。 団体の所在地の都道府県や分野、認証マークなどさまざまな検索条件で 抽出した団体情報を自サイトに取り込むことができます。 ・団体認証マーク CANPANに登録されている団体に独自のマークをつける機能です。 CANPAN団体情報APIと組み合わせることで、マークを付けた団体の団体情報を 取得することができます。 ・その他の連携機能 認証した団体のブログを取得する認証団体ブログRSS。イベントや ボランティア情報を取得可能なトピックスAPI。 団体情報CSVデータ出力。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://canpan.info/about/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎新体験の白杖、より便利に、よりわかりやすく、「電子白杖C821」  今回は、2月下旬に株式会社アメディアから発売された「電子白杖C821」を ご紹介します。  見た目はグリップが少し大きい白杖です。 頭部と前方にある障害物などを、グリップに搭載された2個のセンサーが感知し 音声または振動で知らせてくれます。反応距離は前方センサー1.5〜2m、 頭部センサー1.2〜2m、反応角度は約20度です。 音声と振動は切り替え可能です。音声は女性の声で、「頭部注意」 「前方注意」と案内します。内臓スピーカーまたはイヤホンで確認できます。 耳を塞がない骨伝導ヘッドホンを使用すれば歩行の妨げになりません。 振動は振動箇所が2つあり、振動した場所によって頭部か前方かがわかります。  人口工学に基づきデザインされた持ちやすいグリップです。 杖部分はカーボンファイバーで軽量かつ強度十分です。杖の先(石突)は 耐久性が高いゴム製で、地面を水平に回転するタイプです。 単三乾電池利用で、最大6時間の連続使用が可能です。 ●仕様 サイズ:全長127cm、杖の長さ110cm、折りたたんだ長さ35cm (4段折りたたみ式) 重量:330g(乾電池含む) グリップの色:黒 電源:単三乾電池2本 付属品:アメディア制作音声CDマニュアル 価格:35000円(非課税)  ※補装具費支給制度対象品 メーカー:中国盲文出版社 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.amedia.co.jp/product/guidance/C821.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第23回視覚障害リハビリテーション研究発表大会を開催 視覚障害リハビリテーション協会は、 ひとりじゃない。つながり、ひろげる「支援の輪」をテーマに 第23回視覚障害リハビリテーション研究発表大会を開催します。 *日時:2014年7月19日(土) 9:00〜7月20日(日) 16:00 *場所:同志社大学寒梅館(京都市上京区烏丸今出川上ル西側) *事前参加登録期間:2014年4月1日(火)〜6月30日(月) *主な内容:特別講演、特別講座、市民公開講座、シンポジウム、  口頭発表(一般演題、特集演題)、ポスター発表、機器展示会  (視覚障害者のための最新機器展示) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.kyoto-lighthouse.or.jp/contents/read/id/10 ◎夜間講座「Outlook 2010(メール・連絡先)の基本操作」を開催 SPANでは、Outlook2010の基本操作をテーマに夜間講座を開催します。 *開催日:6月3日(火)・10日(火)・17日(火)・24日(火) 4日間コース *時間:18:45〜20:45 *場所:SPAN☆三田スカイプラザ *募集定員:4名(お申込みが2名以上の場合に開催します。) *受講料:17,600円(4日間、テキストを含む) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/activity/schedule.html#20130603-0624 ◎NVDA日本語版2014.1JPを公開 NVDAは、オーストラリアで開発されたスクリーンリーダーで、誰でも無料で 使用することができます。 無料と言っても、Microsoft Office製品をはじめ、多くのソフトウェアに 対応しており、スクリーンリーダーとしての品質はかなり高いです。 この度、その日本語版2014.1JPが公開されました。 以下からダウンロードできます。 http://sourceforge.jp/projects/nvdajp/downloads/60796/ nvda_2014.1jp.exe/ ※上記URLが長いため、途中で改行しています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.nvda.jp/ ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽にお寄せ  ください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 若葉の季節、いかがお過ごしでしょうか? 今年も3分の1が過ぎようとしていますが、視覚障害者のICT利用を巡る動きは とても活発だという気がしています。 それだけに、こうした最新の動きについていくことは大変で、 きっとサポートをする方々の苦労も多いのではないでしょうか。 でも、大変やりがいのある仕事ですので、前を向いて歩いていきましょう。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は5月23日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  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