━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2014年5月号 No.91                       2014年5月23日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  明るさが敵 ● プロフェッショナルコース  Windows7でサウンドファイルを連続して再生する方法 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  パソコンの構成部品 その7 [2] サポートお役立ちサイト  高齢者・障害者配慮設計指針-公共空間に設置する移動支援用音案内 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  株式会社ラビット [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  知りたいことを自分で調べる便利さをサポート、「サーチエイド ver.1.22」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第162回仙台ロービジョン勉強会のご案内 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎明るさが敵 韓国の友人が自分の住んでいる近くの公園の新緑の風景をSkypeの ビデオメッセージで送ってくれました。韓国でも最近スマートフォンが 視覚障害者の中でも急激に普及しているようです。 こちらも何か送ろうと、通勤途上にある東京タワーと周囲の公園の緑をiPadで ビデオメッセージにしようと撮影ポイントを探しました。 最高の撮影ポイントを見つけたと判断して操作を開始しましたが、5月晴れの 初夏を思わせる日差しの強さで、iPadの画面が太陽の明るさに負けて ほとんど見えません。どう角度を変えても、日陰に入ってもこの明るさは どうにもなりません。 これには本当に困りました。全くの操作不能状態です。 そこでVoiceOverを使って操作しようとしましたが、操作に慣れていないので うまく使えません。 こんなわけで、新緑と東京タワーというビデオメッセージの企画は 中止となりました。  これに関係する話題をひとつ。 その方は基本は音声ソフトを使用してパソコン操作をしているかなり重度の 弱視の方です。 その方の職場にお邪魔する機会があり、席に行ったら窓際の明るい席で 黒い分厚いカーテンのようなものをかぶってパソコン作業をしていました。 まるで昔の写真屋さんが黒い布をかぶってカメラをのぞきこんでいるような 姿です。 これにはびっくりしました。 なぜそのような姿でパソコン作業をするのかを聞いてみたら、 範囲選択をするときにかなり文字を大きくして見やすくしているようですが、 コントラストを上げるために窓の光をシャットダウンするためだと 言っていました。 どんなに変わった姿でも、仕事をするための工夫です。 上記の二つの話は、画面にあたる光をどのようにしていくかが かなり大切であることを教えてくれていると思います。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Windows7でサウンドファイルを連続して再生する方法 前回で説明が不十分だったサウンドファイルの取り扱いについて説明します。 メディアプレーヤーを起動し、連続再生を設定する方法です。 ○連続再生の設定方法 1.[Windowsロゴ]キーを押してスタートメニューを開きます。 2.「media」と入力します。[下、または上方向]キーで  「Windows Media Player」まで移動します。 3.[Enter]キーを押して起動します。 4.[Alt]キーを押して、ファイルメニューを開きます。 5.[下方向]キーを押して、「再生」まで移動します。 6.[右方向]キーを押して、サブメニューを開きます。 7.[下方向]キーを押して、「連続再生」まで移動します。 8.チェックがなければ、[Enter]キーを押してチェックを有効にします。 ○スタートアップにサウンドファイルを設定する方法 1.[Windowsロゴ]キーを押してスタートメニューを開きます。 2.[上方向]キーを押して、「すべてのプログラム」まで移動します。 3.[Enter]キーを押して開きます。 4.[上方向]キーを押して、「スタートアップ」まで移動します。 5.[アプリケーション]キーを押して、「コンテキストメニュー」を開きます。 6.[上方向]キーを押して、「開く」まで移動します。 7.[Enter]キーを押して開きます。 開いたフォルダにサウンドファイルのショートカットを貼り付ければ、 次回の起動からこのサウンドファイルが 自動的に再生されます。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎パソコンの構成部品 その7 ・マンマシンインターフェースとしての、入力/出力装置-3 前回はキーボードについて説明しましたが、今回はマウスについてです。 パソコンでポインティングデバイスとしてのマウスが、本格的に 使用され始めたのは、windowsからでしょう。 Macintoshでも使用されていましたが、絶対数としては少なかったです。 MS-DOSの時も、お絵かきソフトなどのアプリでは使用できましたが、 OS(基本ソフト)がサポートしていたわけではありませんでした。 windowsで採用されたGraphical User Interface(GUI)により、 アプリの起動から、アプリの操作まで、適当にマウスで クリックしていくことで、それなりに操作ができるようになり、 パソコン利用者が増えました。 それまではパソコンは主に専門家やマニアが使用していましたが、GUIと マウスの採用により、多くの人が使用できるようになりました。 一方、視覚障害者にとっては、マウスポインターの動きを見ることは 困難であり、パソコンが使えなくなってしまうと懸念されはじめ、 当時視覚障害者が主に使用していた、NECのPC-98シリーズを購入する 社会現象も起きました。 私はリースアップ品をもらって配ったりもしました。 つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎高齢者・障害者配慮設計指針-公共空間に設置する移動支援用音案内 このJISで規定されている音案内の技術仕様は、一足先に昨年6月に公開された 国土交通省「公共交通機関の移動等円滑化整備ガイドライン改訂版」に既に 反映されています。 この規格の制定によって、視覚障害者が今までよりもさらに便利に公共空間を利用できるようになることを期待します。 また、このページには「包装−アクセシブルデザイン−一般要求事項」の JISを改正(JIS S0021)という発表資料がありました。 その資料には以下のような記述がありました。 「シャンプー及びリンスに関しては、従来からシャンプーのボトルに印を 付ける例を示していましたが、昨今ではさらにボディソープの使用が 増えており、これとシャンプー及びリンスとを区別するために、 ボディソープのボトルには1本線の印を付けることで関係者で合意し、新たに 事例として追加しました。」 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.meti.go.jp/press/2014/05/20140520001/20140520001.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎株式会社ラビット 〜視覚障害者用支援機器販売・サポート〜 取扱商品 1 パソコンソフト 視覚障害者のパソコン利用を支援するソフトウェアです。便利な ソフトウェアを数多く取り扱っております。 2 拡大読書器 病気や怪我、高齢による視力の低下など、見えにくい方が増えています。 郵便物・新聞・雑誌・本など、日常生活の身近な文字を拡大読書機で 大きく表示し、見やすくします。持ち運びのできる「携帯型」から倍率の高い 「据置型」、読み上げのできる機種もございます。 3 DAISY関連(視覚障害者向け) 印刷物を読むことが難しい人のために、デジタル録音された図書 (DAISY図書)を聞くための各種支援機器のご紹介です。 DAISYとはデジタル録音図書の国際標準規格 (Digital Accessible Information SYstem)です。 4 DAISY関連(音訳者向け) デジタル録音図書の製作を行う音訳者向け支援機器のご紹介です。 5 点字機器 各種用途に合わせた点字機器商品をご紹介しています。 6 日常便利グッズ パソコンソフトや周辺機器以外にも、日常生活にお役立ていただける 便利用具を取り扱っております。 7 各種教材 ラビットが製作した視覚障害者向け教材です。Windows、Office、DAISY、 インターネットなど、付属のマニュアルとは違い、より実践的な使用方法を 丁寧に解説しています。ハードウェアやソフトウェアの使い方が よくわからないという方はもちろん、購入前にどんなことができるのか 知りたい方にも最適な教材です。 また助成金等の給付申請手続きも承っております。 市町村が実施主体となり、障害者の日常生活の便宜を図るため、 日常生活用具を給付する制度を実施しています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://rabbit-tokyo.co.jp/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎知りたいことを自分で調べる便利さをサポート、「サーチエイド ver.1.22」  今回は、桂木範(かつらぎのり)さんが作成したネット検索補助ツール 「サーチエイド」をご紹介します。  サーチエイドは様々なインターネット検索サービスを視覚障害者にも 使いやすくするための補助ツールです。 Google検索はもちろん、タウンページでお近くのお店を調べたり、アマゾンや 楽天などの商品検索、路線探索、各種時刻表、国語辞典、ニュース、天気、 処方薬、郵便番号などなど49種類の検索サービスが登録されています。 利用できる検索の種類は、ダウンロードして増やしていくことができます。  主なメニュー操作は矢印キーで行います。上下矢印キーでカーソルを 移動し、右矢印キーで項目を決定し、メニュー階層を一段深く入ります。 左矢印キーはメニュー階層を一段戻ります。 個々の検索サービスに対応した機能はモジュールと呼ばれる テキストファイルで提供されているので、それを編集することにより独自に 変更・追加することが可能です。  検索は、Tabキーで移動しながら必要項目に入力していくシンプルな設計。 検索結果も矢印キーだけで確認できます。本文中にあるリンクを クリックすると内蔵のブラウザーで閲覧できます。  便利な機能として、ファンクションキーやブックマークによく使う検索を 登録したり、検索結果をスクラップブックに保存して、後で確認できます。 検索履歴や選択肢やチェックの状態は、モジュールごとに保存されるので、 同じ内容で再検索したい時に便利です。 常駐モードを有効にすれば、他のソフトで文字列を範囲選択した状態で ホットキーを押すと、その文字列を検索語として検索できます。 本ソフトはシェアウェアです。継続使用するにはライセンス購入が必要です。 対応OS:Windows XP、Vista、7、8、8.1 対応スクリーンリーダー:PC-Talker、FocusTalk、NVDA2014.1jp ※PC-Talker8との併用では正常動作しません。 お試し期間:60日 ライセンス価格:8800円(税込) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://homepage2.nifty.com/oss/sa/sa_info.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第162回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 *日時:6月4日(水) 19:00〜20:30  (開催日第1水曜日に変更) *会場:仙台市福祉プラザ 10階 第2研修室 *内容:「若い視覚障害者と支援者に伝えたいこと」をテーマに宮城県  視覚障害者情報センターに声訳指導員兼校正員としてお勤めの方の公演を  中心とした勉強会。 *参加費:300円 *主催:アイサポート仙台 *連絡先:仙台市中途視覚障害者支援センター  e-mail:sisien@sky.plala.or.jp  Tel:022-212-1131  *お申し込み:6月2日までに以下のホームページを参照の上ご連絡ください。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www15.plala.or.jp/isupport/lowvision_benkyoukai.html ◎第8回「神戸ライトセンター(KLC)まつり」開催のご案内 *日時:6月1日(日) 13:30〜16:00 *会場:中山記念会館内 神戸ライトセンター *内容:ミニコンサート(歌・演奏)、朗読劇、各団体紹介、  音声パソコン体験、点字体験、各種視覚障害者に便利な用具・機器展示、  体験、伴歩体験会など。 *参加費:無料 (事前申し込み不要) *主催:神戸ライトセンター(KLC)運営協議会 *お問い合わせ:神戸ライトセンター(KLC)運営協議会  Email:kobe_lc2009@yahoo.co.jp ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://klc.jpn.org/event.html ◎鹿児島ロービジョンフォーラム第1回勉強会のご案内 *日時:6月21日(土) 18:00〜19:30 *会場:ハートピアかごしま 3F 研修室1・2 *内容:@「基礎からはじめるロービジョンケア 〜 ニーズと具体例」公演     A「網膜像の拡大と光学的視覚補助具(ルーペ)について」公演 *参加費:無料 *後援:日本ロービジョン学会 *連絡先:事務局  e-mail:sai.kagoshima.u@gmail.com  Tel:090-1516-9091(不在時は留守電へお願いします) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.jslrr.org/event/detail/1332741107 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽にお寄せ  ください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Windows XPとOffice2003に対するマイクロソフトからのサポートが終了して 1ヶ月が経ちましたが、まだ多くのユーザーがこれらのソフトウェアを 使っているようです。 細心のWindows8からXPまで、サポートをする方の守備範囲も広がっているので こうした方への情報も引き続き提供していかなくてはと思っています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は6月27日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━