━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2015年8月号 No.106                       2015年8月28日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  Excel基礎(28)   セルの塗りつぶし  ● プロフェッショナルコース  弱視者向けショートカットキー ● 【コラム】 パソコンよもやま話  iOSアプリの紹介 1 メモ 1 [2] サポートお役立ちサイト  読書工房 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  助成金ねっと [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  世界最強スクリーンリーダー、「JAWS for Windows Professional  Ver.16.0」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第177回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎Excel基礎(28)  セルの塗りつぶし 前回は「罫線の削除」について説明しました。 今回は「セルの塗りつぶし」について説明します。 今回も前回で説明するのに利用した報告書をイメージしてください。 報告書は3列の表で、1行目A列から順に「日付」、「項目」、 「突起事項」と表示されています。1行目の項目のセルを目立たせるために、 セルの背景をぬりつぶす方法について説明します。 まず、塗りつぶしをしたいセルの範囲を選択します。 ここでは、「日付」、「項目」、「突起事項」のセルを15%灰色に 塗りつぶすので、セルA1からセルC1までを範囲選択します。 1.セルA1からセルC1までを範囲選択します。 2.[Alt]キーを押してリボンに移動します。 3.[左右方向]キーを押して「ホーム」タブに移動します。 4.[Tab]キーを押して「網掛け」を選択して[Enter]キーを押します。  セルを塗りつぶすための色のリストが開きます。 5.[上下左右方向]キーを押して「白、背景1、黒+基本色 15% RGB  (216、216、216)」を選択して[Enter]キーを押します。  選択範囲のセルの背景が15%の灰色で塗りつぶされます。 【ワンポイント】 「セルの塗りつぶしの色」のリストは2次元の一覧に なっていて、大体の構造は、縦方向が同種の色で、横方向にさまざまな色が 配置されています。 また、色の後の数字は、R(Red)・G(Green)・B(Blue)の割合を示していて 「255」が最も大きく、「0」が最も小さい値です。 (注) PC-Talkerでは[Alt]キー+[Shift]キー+[F]キーを押すと、 セルの書式情報が確認できます。 なお、「塗りつぶし」はセルの書式設定からも行うことができます。 1.[Ctrl]キー+[1] キーを押して「セルの書式設定」のウィンドウを開きます。 2.[Ctrl]キー+[Tab]キーを押して「塗りつぶし」タブを選択します。  なお、セルの書式設定のウインドウは6つのタブシートで構成されています。 3.[Tab]キーを押して「背景の色」に移動し、[上下左右方向]キーを押して  「15%灰色」を選択して[Enter]キーを押します。 4.[Tab]キーを押して「OK」ボタンに移動して[Enter]キーを押します。  選択範囲の背景が指定した色に塗りつぶされます。 (注)塗りつぶしタブでは、ホームタブの「網掛け」の 「セルの塗りつぶしの色」のリストとPC-Talkerの読み上げが異なることに 注意が必要です。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎弱視者向けショートカットキー 今回は、諸事情で短縮版です。弱視者向けショートカットなどの復習を 掲載します。 拡大鏡は説明したばかりなのでのぞきます。 1.ハイコントラスト [左Shift]キー+[左Alt]キー+[PrintScreen]キー 2.Word、Excelのズーム [Ctrl]キー+マウスホイール 3.Wordの編集記号を一時的に表示する [Ctrl]キー+[Shift]キー+[8]キー 4.Wordの罫線を表示のOn/Off Alt , P  でページレイアウトのタブにする AA,G 5.Windowsでマウスカーソルの位置を示す輪 [Ctrl]キー 6.Word , Excelでリボンの最小化 [Ctrl]キー+[F1]キー 7.Excel セルの表示形式切り替え(計算結果と計算式) [Ctrl]キー+[Shift]キー+[@]キー 8.Wordの起動 [Windowsロゴ]キー+[R]キーを押してから「winword」と入力し [Enter]キーを押す 9.Excelの起動 [Windowsロゴ]キー+[R]キーを押してから「excel」を入力し [Enter]キーを押す 10.セル内での改行 [Alt]キー+[Enter]キー 次回は、Wordで図が消えてしまう仕組みを説明します。 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎iOSアプリの紹介 1 メモ 1 2013年に何度かに分けて、iPad/iPhoneの視覚障害者にとって有効と思われる 多くのアプリを紹介してきました。 バックナンバーをご覧ください。 初めてのスマートフォンとして、iOS端末を使い始めたという方も 多いかと思います。 これからしばらく、iPhoneや、iPadを利用する方に役に立つ基本的な使い方と お役立ち情報を紹介していきます。 今回は「メモ」について紹介します。 iOS 8から写真の挿入と、リッチテキストの入力が可能になりました。 文書を入力して、保存しておける「メモ」は機能がシンプルで 使いやすそうですが、逆にシンプルすぎて「どんなときに使うのか迷う」と いう方がいるかもしれません。 iOS 8でメモアプリに新たな機能が追加されました。また、iCloudや、 他のアプリと組み合わせて使うと便利なこともあります。 メモアプリを使うには、アプリを起動して「新規」をタップし、 文書を入力した後、「戻る」をタップするか、ホームボタンを押せば、 保存されます。 そして、これまで「メモ」の入力できるのは文字のみでしたが、iOS 8からは 写真の挿入とリッチテキストの入力ができるようになりました。 メモに写真を挿入するには、メモ入力画面を長押しします。 すると、「写真を挿入」とメニューが表示されるので、これをタップすると 写真が選べるようになります。 また、入力した文字を太字や斜字、下線などで装飾して、 リッチテキストにするには、こちらも入力画面内のテキストを 写真挿入の時同様に、長押しします。 すると、編集メニューが出るので、「選択」で変更したい範囲を設定するか または「全選択」をタップします。 その後、メニューの「スタイルオプション」をタップすると、 「ボールド(太字)」「イタリック(斜字)」 「アンダーライン(下線)」のメニューが表示されるので、 目的のスタイルを選べば完了です。 このスタイルオプションは重ねることができます。 ※操作方法は、VoiceOver Off 状態で説明しています。  VoiceOver On の場合の長押しは、1本指で1度タップし、 直ぐにもう1度タップしたままで離さなければ、「ピロッ」と音がします。 つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎読書工房 一冊一冊がすべて大変に意味ある本を出している出版社です。 問題意識が新しく深いものが多いと思います。 商品カテゴリ ユニバーサルデザインに関する本 視覚障害のある人をサポートするための本 デザインに関する本 さまざまなコミュニケーションの方法を学ぶための本 読書環境や図書館サービスを充実するための本 大きな文字の本 「大きな文字の青い鳥文庫」 宇宙に関する本 以下が新刊のようです。 「多様性と出会う学校図書館」 一人ひとりの自立を支える合理的配慮へのアプローチ 本書は、学校図書館が一人ひとりの子どもの特性や思い入れに寄り添いながら 自律的な生き方をサポートするための基本的な考え方を提案し、 それぞれの現場で「合理的配慮」を実践していくためのヒントや アイデアを提供する書籍です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.d-kobo.jp/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎助成金ねっと 〜助成金の活用が事業成功を導く!〜 *助成金(補助金)とは、 一般的に国や都道府県、省庁やその外郭団体等が、一定の基準(研究開発や 新規雇用など)を満たした中小企業等に対して支給している融資と違って 返済の必要がない資金です。 中には民間の企業や財団が公募しているものもあります。 *助成金は必ずもらえる? 助成金や補助金は申請すれば必ずもらえる、というものではありません。 ただし、各助成金の公募要領をしっかり理解し、求める要件を実施すれば もらえる可能性は高くなります。 *助成金は、返済しなくて良い? もちろん返済の必要はありません。しかしながら、創業や研究開発等の経費を 補助する助成金は、先に経費を使う必要があります。よって、受給時期は 申請してから半年後や1年以上先になることもあります。 また、申請不備や虚偽報告などがあると不正受給とみなされ、返還義務が 生じる場合がありますので、注意が必要です。 助成金についての正しい知識を持つことは活動資金を確保するために 不可欠です。 その意味で、こうしたサイトの情報は貴重だと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.josei-kin.net/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎世界最強スクリーンリーダー、「JAWS for Windows Professional  Ver.16.0」  今回は、6月3日に有限会社エクストラから発売された画面読み上げソフト 「JAWS for Windows Professional Ver.16.0 日本語版」をご紹介します。  JAWSは、画面に表示された情報や入力した文字を読み上げる スクリーンリーダーです。IEやMicrosoft Officeなどの 各種主要ソフトウェアに対応しているほか、 強力なスクリプティング機能により、そのままではうまく読めない アプリケーションも適切なJAWSスクリプトを書くことで 読めるようになります。  主な新機能と改良点は以下のとおりです。 ・JAWSのキー操作を検索するためのJAWSコマンド検索機能を追加 ・フォームモードの設定に半自動フォームモードを追加 ・簡単OCRでPDF形式の文書全体の認識に対応 ・MathMLに対応 ・Microsoft Word 2013のUIAサポートを強化 ・Microsoft Outlookの読み上げを改善 ・音声プロファイルの言語サポートを強化(各言語ごとに個別の設定が可能) ・JAWSを終了するための新しいタッチスクリーンジェスチャーを追加 ・読み上げ辞書・点訳辞書を更新 ・FireFox、Google Chrome、Microsoft Office 2013などの主要製品に対応  そのほか独自英語読み上げ機能、EXTRA自動点訳エンジンなどの実装。 MS-IMEとATOKの詳細読みを音声と点字で提供。JAWSを使いながら 音声で解説するDAISY形式のオーディオガイダンスCDを添付。 ●動作条件 OS:Windows 8, 8.1, 7, Vista 日本語版の各エディション(XPには非対応) ●価格(税込) Ver.16.0 新規:153360円、日常生活用具候補品 Ver.15.0(Ver.16への無償バージョンアップ付)からのバージョンアップ:無償 Ver.15.0、14.0(Ver.15への無償バージョンアップ付)からのバージョンアップ (1バージョンアップ):34560円 Ver.14.0、12.0+1からのバージョンアップ(2バージョンアップ):56160円 Ver.12.0〜6.2からのバージョンアップ(3バージョンアップ以上):77760円 ※バージョンアップ版のご購入には、ユーザー登録が必要です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.extra.co.jp/jaws/index.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第177回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 「補装具費の支給制度について」をテーマに講座を開催します。 *日時:2015年9月9日(水) 19:00〜20:30 *内容:補装具費の支給制度について *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *参加費:300円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎第5回 見ることに不自由さを抱えている方の為のユニバーサル機器展 *日時:2015年9月6日(日) 10:00〜15:30 *内容:人工網膜(人工視覚システム・網膜刺激方式)の展示。  他、視覚障碍者用パソコンソフト、拡大読書器、ルーペ等各種機器展示 *会場:兵庫県立福祉のまちづくり研究所 1Fホール *参加費:無料 *主催:眼の会 *お申し込み・お問い合わせ先:眼の会 担当 榊原(さかきばら)  TEL/FAX:078-921-5489(神戸眞鍼道治療室内)  Eメール:bugpw104@hi-net.zaq.ne.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、平成27年度上半期の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。 → 次回の土曜講座は、9月19日(土)から始まる「実務に役立つ労務・ 税務マスター講座」です。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。 → 9月13日(日)の講座が満席になりましたので、次回は11月8日(日)です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/lesson/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 また、SPANは認定NPOの認証取得を目指しており、そのためには 3,000円以上の寄付を年間100名以上から受けていることが 必須条件となっています。どうぞこの趣旨をご理解いただき、 みなさんのお力をぜひいただければ幸いです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/support/#con03 ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Windows10がリリースされましたね。スタートメニューの復活という 操作法の変更、果たして使いやすいのかどうか? また、初めての無料での配布、バージョンアップするか迷うところです。 いずれにしても、指導する立場の人にとっては忙しい日々が続くようです。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は9月25日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら http://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━