━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2017年4月号 No.126                       2017年4月28日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  PowerPoint基礎(1)   PowerPoint2013の画面構成 ● プロフェッショナルコース  文字列の並び替え ● 【コラム】 パソコンよもやま話  iOSアプリ 画像、写真から文字を認識するOCR [2] サポートお役立ちサイト  障害者とスポーツをつなぐサイト「マイパラ!」 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  鹿児島県視聴覚障害者情報センター [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  視覚障害者が人に頼らず印刷物をテキパキ読める!、「快速よむべえ」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第195回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎PowerPoint基礎(1)  PowerPoint2013の画面構成 さて、今月から皆さんにお届けするのはPowerPoint2013の操作方法です。 PowerPointを音声で操作するのは難しいと感じる方も いらっしゃるかと思いますが、ここでは、PC-Talkerを利用して、 PowerPoint2013の操作について説明していきたいと思います。 まずはPowerPoint2013の画面構成を簡単に説明します。  PowerPoint 2013の画面のレイアウトは以下の通りです。  尚、以下の説明は「白紙のプレゼンテーション」の場合です。 一番上には、左端に「クイック アクセス ツール バー」のボタンが 1列に並んでおり、ここには初期状態で表示されているボタンのほか、 ユーザーがよく使うコマンドを登録することができます。 クイック アクセス ツール バーの右側、画面の中央には タイトル バーがあり、ファイル名が表示されています。 タイトル バーの右には「ヘルプ」「リボンの表示オプション」「最小化」 「最大化」「閉じる」ボタンが並んでいます。 (注) 「リボンの表示オプション」には「リボンを自動的に非表示にする」 「タブの表示」「タブとコマンドの表示」の3つの選択肢があります。 その下がリボンです。リボンは「タブ」「コマンド」「グループ」という 3つの基本的な構成要素からなっています。 リボンの配置は、タブの下側にコマンドが配置されており、その下に グループが表示されています。詳しくはリボンのところで説明します。 リボンの左側に「ファイル」メニューがあり、ここには ファイルを操作するためのメニューや印刷関連のメニュー、また各種設定を 行うためのメニューなどが用意されています。 リボンの右側には、Microsoft office 2013にサインインしている ユーザー名が表示されています。 リボンの下は、2つの領域に分かれています。 左側には、「サムネイルペイン」、画面の大部分を占める中央には、 「スライドペイン」が配置されています。 サムネイルペインは、作成するプレゼンテーションのそれぞれの ページのことで、ここには、作成したスライドの縮小版が表示されています。 「スライドペイン」は、スライドの編集をする領域で、内側には、 「プレースホルダー」が配置されています。 プレースホルダーで、スライドに文字やイラスト、グラフなどを 入力することができます。 そして一番下がステータスバーで、ここにさまざまなメッセージが 表示されます。 スライドの枚数や、表示方法の切替など、現在の作業状態が 表示されています。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎文字列の並び替え 1.はじめに EXCELで住所や氏名などの文字列を並び替える場合、注意が必要です。 数千人の名簿を作成すると、意外な問題に遭遇します。 プロ的には http://www.soumu.go.jp/denshijiti/code.html から入手できる総務省の都道府県や市区町村コードを使用します。 このコード表を使わないで、注意が必要な項目を説明します。 例えばもらったデータをそのまま登録すると、 検索してもヒットしないことがあります。 皆さんの業務や個人的なデータベース作成に役立てば幸いです。 2.発生する問題 友人や顧客などから自由な形式でデータを集めると発生する問題点は 以下のとおりです。 本来なら一致したい例 三丁目二番地一号 3の2の1 3−2−1 清水マリと清水 マリ などです。 問題点1 全角と半角の混在 問題点2 旧字 問題点3 途中の空白 問題点4 バラバラな省略 問題点5 番地の書き方のばらつき 問題点6 外人の名前が長すぎて、文字数制限を超える。 問題点7 英小文字と大文字 問題点8 英数字と漢数字の混在 3.対応策 残念ながら、完璧な対応策はありません。VBAなどを使用すれば かなりの部分が対応できます。VBAを使用しないでも並べ替え専用の列を 作成すると多少は軽減します。 対応策1 すべて全角にする。 対応策2 全部大文字にする。 対応策3 前後の空白を削除する。 すると下記の関数になります。 =TRIM(UPPER(JIS(入力シード!C2))) また、入力フォームを作成してよい場合は、 http://smuramura.web.fc2.com/span/201704x/jusho.xlsx の様に「都道府県」「市区町村」などを分けて入れると、以後の調整が 楽になります。 シート「入力」の内容がシート「並べ替え」になります。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎iOSアプリ 画像、写真から文字を認識するOCR 目が不自由になって、困ることの1つに、印刷された文字を読むことが 困難になることがあげられます。 今までにもiOSアプリとして文字認識のできるOCRアプリは いくつもありましたが、今回はその中から、カスタマーの評価も高い つぎのアプリを紹介します。 画像、写真から文字を認識するOCRアプリ ※URLが長いため、途中で改行しています。 https://itunes.apple.com/jp/app/%E7%94%BB%E5%83%8F-%E5%86%99%E7%9C%9F% E3%81%8B%E3%82%89%E6%96%87%E5%AD%97%E3%82%92%E8%AA%8D%E8%AD%98%E3%81% 99%E3%82%8Bocr%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA/id1141675211?mt=8 より、一部引用します。 超ハイクオリティのOCR認識!! 読み込んだ文字をtxtに変換して、メールで送れます。 手書きもOK!! デスクトップ画面内の文章もOK!! 脅威の文字認識力です。 文字認識力はグレートだぜ!! かなり簡単に文字認識できますので、ちょっとした書類などを 読みたい時などに便利なのではないでしょうか。 文字認識したいときは、アプリアイコンをタップして起動し、 「画像を選ぶ」または「写真を撮影」どちらかをダブルタップします。 「画像を選ぶ」の場合は、続けて文字認識したい写真を選び ダブルタップで決定、「カメラ起動」の場合は、続けて「写真を撮影」で 写真を撮り、「写真を使用」をダブルタップすれば、少し待つと 文字認識結果が表示されます。 iPhone内で解析するのでWI-FI環境がなくても文字認識が可能です。 まずは、インストールして試してくださいね。                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎障害者とスポーツをつなぐサイト「マイパラ!」 最近周りでいろいろなスポーツを楽しんでいる人がいますね。  日本財団パラリンピックサポートセンターが運営。 障害の程度に応じてどんな競技ができるのか、自宅の近くに チームや練習場所があるかなどの情報が検索できます。 情報不足を解消し、障害者スポーツのすそのを広げるのが狙いです。 私も検索しましたが、3つの協議が選び出されました。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.parasapo.tokyo/mypara/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎鹿児島県視聴覚障害者情報センター *事業概要 ・視覚障害者・聴覚障害者が必要とする情報の収集・提供 ・点字図書・録音図書・字幕(手話)入りビデオテープの収集・制作・  整備・貸出 ・点訳奉仕員・音声訳奉仕員の育成・研修 ・手話奉仕員・手話通訳者・要約筆記奉仕員の研修 ・視覚障害者・聴覚障害者関係各種講座 *視覚部門事業一覧 【視聴覚障害者情報センター管理運営事業】 ・点字資料・録音資料の貸出・製作 ・○プライベート点訳・音声訳・テキストデイジー ・点訳・音声訳ボランティアの養成・研修 ・機関紙の発行(墨字版・墨字拡大版・点字版・音声(カセットテープ・  CD)版・メール版) 【明るいくらし促進事業】 ・中途失明者緊急生活訓練事業 ・視覚障害者生活訓練事業 【その他】 ・ろう者通訳・介助員派遣事業 ・重度障害者アクセス訓練事業 ・同行援護従業者養成研修事業(平成25年度より) 地域の視覚・聴覚障害者を支える中核施設です。 こうした施設の存在をぜひ知っていただければと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.shichocenter.kagoshima.kagoshima.jp/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎視覚障害者が人に頼らず印刷物をテキパキ読める!、「快速よむべえ」 今回は、3月9日に株式会社アメディアから発売された カメラ活用の音声拡大読書器「快速よむべえ」をご紹介します。 快速よむべえは、カメラで印刷物を読み取り、文字と音声で読み上げ、 画面(別売)で大きく表示する音声と拡大表示両用の読書器です。 役所からの通知やお手紙などの郵便物、食品や薬品等パッケージの箱や袋に 書かれている内容、丁寧に手書きした書面の内容などを確認できます。 また、英語、中国語の簡体字と繁体字、韓国語も読み上げることができます。 連続読み取り機能により、200ページの本を約10分で読み込み、その本1冊分を 単位として、約100冊分を本機内部に保管できます。 各書籍データに文書名をつけておけば、電子書棚としても活用できます。 画面を接続すれば、最大約40倍まで拡大しての読書もできます。 拡大読書機能としてはライヴ画像表示、カラー表示、画像を同期させた 音声読み上げ、拡大した状態での見える箇所の移動、画像回転、 コントラスト調整など。 読み取った内容をテキスト、HTML、エクセル、CSV、MP3またはデイジー形式で USBメモリーに転送可能。 ●機器仕様 専用カメラ外形寸法:幅86×奥行75×高さ265mm(折りたたんだとき) 重量:650g 専用PC(変更あり)外形寸法:幅170×奥行126×高さ81mm(プラスチック台含む) 重量:1.3kg スピーカー外形寸法・重量:幅150×奥行45×高さ65mm  280g 最大音量:80デシベル(距離1m) 価格:198000円(税込) ※本体のみ 標準付属品:操作パネル、原稿ガイド、PC据え置き台、中継USBケーブル2本、 中継USBケーブル取り付け具、カメラ接続ケーブル、スピーカー接続ケーブル、 PC用ACアダプター&電源コード、下敷きマット、読み取り精度確認シート、 手書き読み取りサンプルシート、活字および録音取扱説明書 保証期間:購入後1年間(無償)、購入後5年間(有償延長保証 税別60000円) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.amedia.co.jp/product/visual/y-kaisoku/ ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第195回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第195回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2017年5月10日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *内容:日本盲導犬協会スマイルワン仙台(仙台訓練センター)の取り組みと  盲導犬歩行について *参加費:500円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎七沢自立支援ホーム 2017年度第1回視覚リハ体験会のご案内 視覚障害のある方を対象とした歩行や調理、点字、パソコン、スマホなど、 視覚リハビリテーションの体験会を開催します。 *日時:2017年5月20日(土) 9:00〜12:30 *会場:神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢自立支援ホーム *内容:@施設の概要説明・見学  A視覚障害者の誘導法  B歩行・点字・パソコン・日常生活など、ご希望の訓練体験 *参加費:無料 問い合わせ先:七沢自立支援ホーム Tel:046−249−2337 FAX 046-249-2337 担当:佐藤 ◎ワンポイント講座「Windows 10の基本操作」(5月20日)のご案内 この講座は、「Windows 10の基本と便利な使い方」をテーマに開催します。 *開催日:5月20日(土) *時間:13:00〜17:00 *内容:Windows 10の画面構成、スタートメニューの操作  (シャットダウンを含む)、エクスプローラーの起動と操作法など。 *場所:SPAN☆三田スカイプラザ *募集定員:4名(お申込みが2名以上の場合に開催します。) *講師:北神 あきら *受講料:8000円(4時間) *詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/activity/index.html#future20170520 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、平成28年度下半期の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って半日で学ぶ講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、5月20日(土)のワンポイント講座の募集をしています。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、5月7日(日)の募集をしています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/offering/index.html *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。  また、以下のサイトの中の「応援する」ボタンを毎日押していただくことで SPANを寄付でご支援いただけます。ぜひご協力ください。 http://gooddo.jp/gd/group/span/?from=fbn0 ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ゴールデンウイーク直前、いい季節になりましたね。 この4月から新たなスターとを切った視覚障害者の方もいることと思います。 そして、期待や戸惑いを持ちながら、新しいICT環境と向き合っている方も いるかもしれません。 私たちは、こうしたフレッシュマンのみなさんをこれからも応援し続けて いきたいと思っています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は5月26日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら http://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━