━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2019年3月号 No.149                       2019年3月22日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  使いたいときに「さっと呼び出すこと」 ● プロフェッショナルコース  グラフの文字を見やすくする ● 【コラム】 ICT よもやま話  聞いている曲名を知りたい [2] サポートお役立ちサイト  弱視に関する懇談会の報告書 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  随時募集しているNPO法人向け助成金情報 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  読み上げ機能付き拡大読書ソフト、「キャットビュー2」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第218回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎使いたいときに「さっと呼び出すこと」 iPadやiPhoneで、拡大も、白黒反転も、VoiceOberも、 使いたい時に使うという人もいると思います。 私は、アクセシビリティーの中の、ショートカットに、VoiceOberと 反転スマート、拡大鏡の3つを登録しています。 そして、ズーム機能もオンにしています。文字もさらに大きな文字、 文字の太さも変更しています。また画面表示と明るさで、 一番明るくしています。 iPadやiPhoneを使う状況の違いで、ホームボタンのトリプルクリックをして いろいろと機能を使い分けています。 これだけ用意をしていますと、色々なことにも対応ができます。 少し長い文章なので、VoiceOberでさらっと読ませるのを聞いてみようとか、 白黒反転で見るのが楽だと感じてスマート反転にしたり、 小さい文字を見るのでルーペ的に使いたいときなど、 とにかく「さっと呼び出せる」ことが大切なのです。 弱視にとってはとにかく「フル装備」にして、そこから減らすものは 減らしていくというのがうまい設定だと思います。 ぜひ、色々と試していただければと思います。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎グラフの文字を見やすくする この資料のPDF版は http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201903H/gf9.pdf です。 Excelの標準機能で作成した場合、文字の色が黒でない場合があります。 文字を太字にすると見やすくなります。 図全体を選択した状態なら、個々の要素ごとにする必要はありません。 サンプル文書 gr9_mae.xlsxと gr9_ato.xlsxで説明します。 グラフには名前「グラフ身長と体重」がつけられています。 図1は色変更前 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201903H/001.png 図2は文字の色を黒にした後 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201903H/002.png です。 文字は、「題名」「軸の名前」「X軸の値」「Y軸の値」などがあります。 個々に設定すると面倒なので、まとめて行います。 グラフを選択する まずグラフエリアの何もない部分をクリックし選択します。 マウスを使用しない場合は、 [Alt]キー[P]キー [A]キー[P]キー [Tab]キーを何回か押して「グラフ身長と体重」まで移動します。 [Enter]キーを押すと、グラフ全体が選択された状態になります。 太字にする [Ctrl]キー+[B]キーでグラフ中のすべての文字が太字になります。 文字の色を変える 標準でグラフを作成すると文字の色が「純粋な黒」でない場合があります。 [Alt]キー[H]キーでホームのタブを開きます。 [F]キー[C]キーを押すと、文字の色を指定するプルダウンメニューが 表示されます。 図3 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201903H/003.png [M]キーを押すとダイアログボックス「色の設定 標準のタブ が開きます。 図4 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201903H/004.png [Ctrl]キー+[Tab]キーで タブを「ユーザー設定」に切り替えます。 図5 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201903H/005.png [Tab]キーを押して 赤 緑 青に移動したときに 0を入れると黒になります。 [Tab]キーでOKまで移動し、[Enter]キーで閉じます。 こうすれば、くっきりした図になります。                          文責 村山慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 ICt よもやま話 ◎聞いている曲名を知りたい 前回まで、Google Chromecast Audioで音楽を聴く方法について 紹介していました。 今回はちょっとお休みして、聞いている曲名を知る方法について紹介します。 先ずはスマートスピーカーで聞いている曲名を知りたい場合です。 スマートスピーカーでは曲名を指定して聞くこともできますが、 楽団や歌手名を指定して聞くこともできます。 プレイリストで指定することもできますね。この場合、知らない局が かかることも多いです。 この様なとき、 「OK,Google(または、alexa)、曲名を教えて。」 と話しかけると、曲名やアルバム名などを教えてくれます。 または、 「OK,Google(または、alexa)、アルバム名を教えて。」 と聞いてください。 Google アシスタントと、alexaで少し答え方が異なりますが、 曲名や、アルバム名などを知ることができます。 つぎに、喫茶店などでかかっている曲名を知りたい場合です。 iPhoneや、iPadを持っていれば、siriで 「曲名を教えて」 とたずねてください。しばらく音楽を聴いてから、曲名などを 教えてくれます。 そして、曲名などをタップすると、iTunesが開いて、購入することも 可能です。 その他、いかのアプリをインストールして確認すれば、もっと多くのことが できるようになります。 いろいろと試してくださいね。 「Shazam - 音楽認識」をApp Storeで https://itunes.apple.com/jp/app//id284993459?mt=8 「SoundHound音楽検索の認識とプレーヤー」をApp Storeで https://itunes.apple.com/jp/app//id355554941?mt=8                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎弱視に関する懇談会の報告書 日本盲人会連合のプロジェクトの報告書が出ました。 弱視に関する懇談会報告書です。 この目的は、「日本盲人会連合として、弱視者に対する理解を広め、 今後の取り組みを組織的に行うための出発点となる報告書の作成を 行うことにしました。今後、この報告書を基礎として、日本盲人会連合の 取り組みを継続的かつ系統的に行うための組織作りを考えたいと 決意しています」とされています。 一人ひとり見え方の違う弱視について、色々な場面や、色々な人の体験が 盛り込まれていて大変興味深い内容です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 ※URLが長いため、途中で改行しています。 http://nichimou.org/wp-content/uploads/2019/03/ lowvision_-social-gathering_report20190304.txt ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎随時募集しているNPO法人向け助成金情報 今回は助成金情報です。 ここは、NPO法人助成金・融資情報ドットコムが運営するサイトで、 締切日を特に設けず、随時募集しているNPO法人向け助成金の一覧です。 助成金によってはNPO以外の団体や任意団体での応募も可能なようです。 資金の問題は多くの団体にとって悩みの種ではないでしょうか。 ぜひ、こうした情報を活用していただければと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.npo-joseikin.com/zuiji/index.html ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎読み上げ機能付き拡大読書ソフト、「キャットビュー2」  今回は、2月7日に株式会社アメディアから発売された 弱視者向けの読み上げ機能付き拡大読書ソフト「キャットビュー2」を ご紹介します。  キャットビュー2は、カメラで写した画像を拡大表示し、必要な個所を 文字認識して音声で読み上げるWindows対応のソフトウェアです。 拡大読書器との違いは、文字認識ができること、読み上げができること、 データ管理ができることです。  マウス、キーボード、画面タッチの各操作体系に対応しています。 画面タッチ操作を行うには、パソコンまたは画面がタッチ操作に 対応している必要があります。 3月15日のアップデートにより、iPhoneのカメラで撮影機能が 使えるようになりました。リアルタイム表示はできませんので シャッターを切ってください。 ●推奨環境 OS:Windows10 ハードディスク空き容量:2GB以上 カメラ:USB接続のウェブカメラあるいは書画カメラ(USB3.0推奨) ※当社推奨以外のカメラでも利用可能ですが、動作保証は 当社推奨カメラのみです。すでにカメラをお持ちの方は、体験版で そのカメラが使用可能かお確かめください。 ●価格(税込) ソフトウェア:32,400円 推奨カメラセット:53,784円 媒体:USBメモリー 別媒体で提供希望の方:別途3,240円(メディア作成手数料) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.amedia.co.jp/product/pc-soft/datareader/CatView2/index.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第218回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第218回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2019年4月10日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 10階 第2研修室 *内容:「社会参加の一歩としての障害者地域活動推進センターきりんの  役割について」というテーマでの開催 *参加費:300円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎土曜講座「Wordの基本でできる!効率的で美しい文書作り」(4月13日から  4日間コース)のご案内 この講座は「Wordの基本でできる!効率的で美しい文書作り」をテーマに  開催します。 *開催日:4月13日(土)・20日(土)・27日(土)、5月4日(土) *時間:13:00〜17:00 *場所:SPAN☆三田スカイプラザ *募集定員:4名(お申込みが2名以上の場合に開催します。) *講師:北神 あきら *受講料:32000円(4日間、テキストを含む) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/activity/#future20190413-0504 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 平成30年度下半期の訓練の受付は終了しました。     これからお申込みいただきますと4月以降の受講となります。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って半日で学ぶ講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、4月13日(土)からの土曜講座の募集をしています。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、5月12日(日)の募集をしています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/offering/index.html *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2月3日に実施された障害者を対象とした国家公務員の採用試験では、 パソコンを音声で操作する受験が事実上可能になっていたようです。 今後、こうした動きがどこまで広がるか、大きな関心をもって 見守っていくとともに、私たちでできることをしていきたいと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は4月26日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら http://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━