━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2023年11月号 No.205                       2023年11月24日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  「拡大鏡」を使いましょう ● プロフェッショナルコース  Pythonでフォルダ中にある複数のExcelブックを集計した結果を  別のExcelブックに登録する ● 【コラム】 ICT よもやま話  iOSアプリ OTO-Mii(オトミィ) [2] サポートお役立ちサイト  日本視覚障碍者芸術文化協会  Art For the Light (AFL) [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  福島県ロービジョンネットワーク [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  点字出力専用機、「Next Touch 40」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第271回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎「拡大鏡」を使いましょう もう15年前のことでしょうか。「デジカメ」の画面が 結構大きなものが出てきて、これをうまく使えば、近くも遠くも拡大して 見れるものに使えるのでは、と期待していました。 「手元はルーペ、遠方は単眼鏡」、というどうしても2種類のレンズ類を 持つことから解放されるのではと思いました。 そしてデジカメは姿を消して、iPhoneがこの夢を実現してくれたと感じます。 「拡大鏡」をVoiceOverをオンにして使う際のポイントを述べます。 拡大鏡を起動して画面をタップします。 1.ファインダー画像、と読み上げます。 2.上下スワイプで、コントロールカードを表示、コントロールカードを 非表示、という項目が出てきます。 3.「非表示」でダブルタップすると設定項目がなくなり全部がレンズに なります。 4.「表示」でダブルタップすると倍率や明るさなどの設定項目が出てきます。  すきな設定をして、「非表示」でダブルタップすると全画面にもどります。  これらの作業をスムーズにしていくと本当に使い勝手が良いです。 近くを見ると携帯用の拡大読書器になります。 遠方を見れば、画面の広い単眼鏡になります。 私にとっては、夢の実現に近づいた感じです。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Pythonでフォルダ中にある複数のExcelブックを集計した結果を  別のExcelブックに登録する https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2023/2023_11s/excel_matome5a.pdf 1.はじめに 今回は、自分の下にあるabcフォルダ中にあるExcelブックを読んで、 氏名と金額の一覧と金額の総合計をテキストとExcelブックに作ります。 同時にテキスト形式が生成されます。 実行用バッチプログラムには、テキスト形式ファイルをcsv形式ファイルに コピーするコマンドも含まれています。 2.プログラムの説明 プログラムは下記のURLから見ることができます。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2023/2023_11s/matome005a.txt 読み込むExcelブックは 氏名が セルB2 (2,2) 合計が G11にあります。 集計Excelブックでは 1行目が見出しで NO 氏名 金額 を設定します。 2行目からは 入力になるExcelブックごとに1行追加され、連番、氏名、 金額 が書かれます。 最終行のB列には、文字列総合計 C列には総合計の値とします。 図1 入力となるExcelシート https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2023/2023_11s/img010.png 図2 実行結果のExcelファイル https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2023/2023_11s/img020.png 実行結果は以下ととおりです。csvファイルとしても使用できます。 NO,氏名,金額 1,本田太郎,9464 2,鈴木和子,11004 3,山羽次郎,7651 総合計,28119 END 3.コードの説明と各種ファイル Pythonプログラム中にある、詳細説明を参照してください。 プログラムやExcelファイルなどはm005a.zipにまとめてあります。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2023/2023_11s/m005a.zip からダウンロードしてください。 ファイル一覧 abc 読み込み対象のExcelブックがある フォルダ matome005a.py Pythonのプログラム matome5a.xlsx 実行結果の集計したExcelブック m005a.bat パイソンプログラムを実行するバッチファイル m005a.txt 実行結果のテキストファイル m005a.csv バッチファイルで生成された、実行結果のcsv形式ファイル m005a.zip 上のファイルの圧縮(zip形式)フォルダ                          文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 ICt よもやま話 ◎iOSアプリ OTO-Mii(オトミィ) あなたはカラオケによく行きますか?また、歌うのが好きですか? よく歌っていた曲などであれば、歌詞を覚えている方も 多いのではと思いますが、新しい歌や、メロディーは知っているけれど、 歌詞はよく知らないこともありますよね。 また、メロディーはなんとなく分かるけれど、曲名などの関連情報を 知りたいこともありますね。 今回はそんな方に知っておくと便利なアプリの紹介です。 「OTO-Mii(オトミィ)」をApp Storeで ※下記URLが長いため、途中で改行しています。 https://apps.apple.com/jp/app/oto-mii-%E3%82%AA%E3%83%88%E3%83%9F%E3% 82%A3/id656616557 より一部引用します。 鼻歌でも曲が探せる!歌詞も楽しめるアプリ iPad対応 無料 「OTO-Mii」は、流れている音楽を聴かせるだけで、曲名やアーティスト名を 瞬時に教えてくれる楽曲認識アプリです。 楽曲の歌詞はもちろん、関連した音楽情報も表示されるので、 あなたに新たな音楽との出会いを届けてくれます。 【オススメ機能】 ■流れている曲を瞬時に認識して、曲名やアーティスト名を教えてくれます。 ■ハミング(鼻歌)から楽曲を認識することができます。 ■楽曲認識した結果から、その曲の再生箇所に合わせて歌詞が自動で 同期表示されます(プチリリ機能)。 ■歌詞を歌唱より若干早めのタイミングで読み上げることができます。 (歌詞先読み機能:ユニバーサルデザイン化) ■スマートフォンで再生している音楽の歌詞を瞬時に表示します。 ■270万件を超える邦楽・洋楽の歌詞データベースから歌詞を検索できます。 ■選択した曲について、以下の情報を表示します。 ・関連曲の歌詞を一覧で表示 ・歌詞の文字をタップすると、タップした箇所から歌詞が 同期表示される(エアカラ機能) ・同アーティストの他の曲を一覧で表示 ・アルバム詳細情報 ・アーティストプロフィール ・アーティストニュース ・関連アーティスト ・音楽動画へのリンク ・Apple Music、iTunesでの試聴 ・歌詞を分析し、歌詞の傾向が類似したアーティストを表示 ■歌詞のチャート情報をデイリーでお届け。 ■お気に入り曲の歌詞をマイリストに登録できます。 ■画面のダークモードに対応しています。(ユニバーサルデザイン化) ■ボイスオーバー利用時の利便性を考慮しています。(ユニバーサルデザイン化) 今後も様々な機能を追加予定!とのことです。                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎日本視覚障碍者芸術文化協会  Art For the Light (AFL) 食欲ばかりではなく、芸術の秋でもあります。  日本視覚障碍者芸術文化協会は、点字やデータ送信、音声ガイドなど、 さまざまな形で情報を提供することにより、 多くのバリアを解消することを願い、障碍の有無に関係なく芸術文化に触れて すべての人達と共に感動を共に分かち合いたいということを目指して 活動をしています。 芸術に関するイベント開催を呼びかけ あなたの町で障碍者が中心となったイベントを開催しませんか?  日本視覚障碍者芸術文化協会(Art For the Light)では、 これまでに視覚障碍者が中心となったオペラ、ジャズコンサート、 写真教室など、数々のイベントを主催・共催してきました。  私の町でも是非、視覚障碍者中心のイベントを開催してほしい方、 または、イベントを開催するのだけど、どのように進行していけばよいのか わからないという方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡下さい。  今までの経験を生かし、あなたの町でも参加者が充実した時間を 過ごせるイベントを開催出来るように致します。 これからの予定については、以下のようなものがあるようです。 サイレント映画を楽しむ会 上映作品 チャップリン、キートンと並ぶ三大喜劇王、今年生誕130年の ハロルド・ロイド作 関東大震災の日本を励ました100年前の大人気コメディ作品 「ロイドの要人無用」を生の語りとピアノ付きで鑑賞します。 日時:12月2日(土) 昼の部:10時半会場 11時開会 「ロイドの要心無用」上映     12時20分より食事、交流会 13時半終了 夕方の部:14時半開場 15時開会 「ロイドの要心無用」上映      16時20分より食事、交流会 17時半終了 場所:ラウンジ トレビ (午前、午後 貸し切り)    JR線、西武新宿線 高田馬場 早稲田口から徒歩3分    竹宝ビル2F 定員:午前、午後、各30名(合計60名) 参加費 3500円(軽食とワンドリンク付き) 主催:日本視覚障がい者芸術文化協会 (Art for the Light) ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://artforthelight.com/about.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎福島県ロービジョンネットワーク 今回は福島県の団体紹介です。 この団体は2007年に設立され、視覚障害に関わる福島県内のさまざまな 人や組織のネットワークを構築する目的で活動しています。 団体のWebサイトでは、この団体の趣旨が以下のように記載されています。 福島県においてロービジョンにかかわりをもつ全ての人々や施設などの間の 連携を深め、ロービジョンへの取り組みがより有意義なものになることを 期待し、また、ロービジョンの方々への支援のため、医療、福祉、教育、 ボランティアなどの垣根を越えての情報交換と研鑽を目的とする ネットワークです。 ここでは、ロービジョンを含めての視覚障害としています。 活動内容は、主にフォーラムや講演会、講習会などの開催です。 相談対応や情報提供、また訓練など具体的な支援も大切ですが、 こうしたネットワーク作りをしている団体の存在も大きいと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.fukushima-lovinet.com/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎点字出力専用機、「Next Touch 40」 今回は、11月1日にケージーエス株式会社から発売された点字出力専用機 「Next Touch 40」をご紹介します。 Next Touch 40は、40マスの点字ディスプレイを備えた点字出力専用機です。 操作に必要な最小限のボタンでシンプルな操作性を実現しました。 ブレイルメモシリーズから継承した点字セルを搭載し、 ケースは強固なアルミを採用することでスタイリッシュになりました。 USBまたはBluetoothでパソコンとの接続が簡単に行えます。 ※単体ではご使用いただけません。 ■仕様 外形寸法:300mm(W)×75mm(D)×18.5mm(H) 重量:約520g 電源:ACアダプター(入力AC100V-240V,50/60Hz,出力DC5V)またはUSB給電 消費電力:最大2.5W 連続使用時間:18時間 インターフェース:USB Type-C 2.0、Bluetooth 4.2 対応OS:Windows7 / 8 / 8.1 / 10 / 11 メーカー希望小売価格:238,000円(非課税)、日常生活用具給付候補品 附属品:ACアダプター、USBケーブル、取扱説明書 保証期間:5年間 ※2023年11月1日から12月28日までにご注文いただいた場合、 発売記念キャンペーンとして、保証期間が6年に延長されます。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.kgs-jpn.co.jp/archives/welfare-products/next-touch-40 ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第271回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 仙台ロービジョン勉強会は、視覚障害児・者の支援について さまざまなテーマについて学ぶ定例の勉強会です。 *テーマ:ライフステージと視覚障がい〜一人ひとりの患者の人生に 思いを馳せて〜 *講師:モハメド・アブディンさん 参天製薬株式会社 基本理念・  サステナビリティ本部 *日時:12月13日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *参加費:500円 *定員:30名 *参加申し込み期限:12月7日(木) *お申し込み・お問い合わせ先  仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台  担当:善積  電話 022-341-1728  メール sisien@sky.plala.or.jp ◎遠隔ワンポイント講座「押さえておきたいWordの基本」(12月3日)のご案内 SPANでは、以下の通り、Wordの基本を学ぶ講座を開催します。 *日時:12月3日(日) 13:00〜17:00 *通信方法:Zoomミーティング *募集定員:4名 *講師:上田 喬子(SPAN) *受講料:8,800円(受講前にお振込でお支払いください。) ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/activity/#20231203 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問合せください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して  行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、令和5年度下期の訓練の受付を行っています。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、ワンポイント講座   原則として土曜日にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って1〜4時間で学ぶ講座です。   いずれも遠隔で実施する場合があります。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、12月3日のWordに関する講座の募集を行っています。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、2024年1月14日の第136回講座の募集を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/activity/#future20221211 *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級データ活用  2024年1月期  ・ 日商PC検定3級文書作成 2024年1月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2024年1月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2023年もあと1カ月余りとなりました。 コロナへの国の対応が「5類」となったことで、さまざまな活動が 対面で行われるようになりました。 やはり「対面のよさ」が再認識されたのではないでしょうか。 と同時に、急速に広まったオンラインを利用した開催方法により、 地域の壁が低くなったことも事実です。 今後は、両者のよさを活かした活動を模索していくことが大切だと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は12月22日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━