1ページ 広報誌 SPAN2020 第7号 2020年7月発行 ~ 視覚障害者のPC・ICT利用を進めるための掛け橋となることを目指して ~ ICTで視覚障害者の社会参加と就労を支援 SPANは 視覚障害者のSの略 パソコンのPの略 アシストのAの略 ネットワークのNの略 20歳を越えたSPANが目指すもの新しい10年、SPANに与えられた役割 SPAN理事長  北神(きたがみ) あきら  SPANは昨年(2019年)、創立20周年を迎えました。 やっと成人になったわけです。 大人になったSPANに与えられた役割は何か? それは、これまでSPANを育てていただいたみなさんに恩返しをすることだと思います。  SPANはこれまで、多くの方のお力によって成長させていただきました。 その結果、常に最新のICT(情報通信技術)にチャレンジできたこと、全国の関係団体とのつながりが持てたこと、就労支援やスマートフォン・タブレットの普及活動などで貴重な経験ができたことなど、本当に大きな財産を築くことができました。  新たに始まった10年は、こうした財産を視覚障害当事者のみなさん、支援してくださるみなさん、そして社会全体のために役立て、創立30周年には 「成熟したSPAN」 になれることを目指していきます。  これからも会員のみなさん、SPANを応援してくださるみなさんとともに歩んでまいります。 写真 北神理事長 写真終わり SPANの活動理念* SPANは、1999年11月に発足し、2001年にNPO法人の認証を受け、視覚障害者のパソコンやICT(情報通信技術)の利用が快適・積極的に進むよう、点在する組織や情報を繋ぎ合わせることを目指す有志によって活動を続けています。 SPANの特徴と活動* ・特徴 ・ 視覚障害者と晴眼者が同じ立場で活動している ・ 初級講座から職業訓練まで、幅広いニーズに応えられる ・ Microsoft Officeのマニュアルなど、豊富なテキストを制作 ・ 通信アプリを利用した遠隔講座など、多様な講習形態に対応 ・ Windows10やスマートフォン・タブレットPCなど、最新の技術にチャレンジ 活動 図:9つの活動  サポートスタッフへの講習会の開催  他の関係団体の設立及び運営支援  機関紙の発行  PC教室開催と普及  個人や団体、行政との情報交換  社会参加と就労を支援  ハード/ソフトウェアの評価及び提言  PC活用促進の情報収集と提供  その他の事業 図終わり 2ページ これまでの活動 2019年1月~2020年5月活動実績  2019年の数/2020年の数 表1:講座・職業訓練等 ○土曜講座・ワンポイント講座 Word、Excelなどをテーマに6回/1回 実施 ○遠隔ワンポイント講座 Word、Excelなどをテーマに1回/6回 実施 ○遠隔講座 受講する方のニーズに応じた内容で7回/11回 実施 ○個人対象講座・グループ講座 受講する方のニーズに応じた内容で46回/13回 実施 ○インストラクター養成講座 視覚障害者へのパソコン指導の基本を学ぶ講座として5回/1回 実施 ○タブレットサロン iPhone、iPadを学ぶ場として、東京・鹿児島で22回/1回 実施 ○在職者訓練 在職中の視覚障害者への職業訓練を8回/3回 実施 ○ジョブコーチ支援 在職中の視覚障害者への就労支援を2社/2社 に対し実施 ○企業研修 在籍する視覚障害者への職業研修を4社/2社 に対し実施 ○タブレット体験会(いわき市・新潟市)を実施 2019年 ○視覚障害者への職業講習(神戸市)を3回/0回 実施 ○自治体、企業・団体からの委託によるパソコンやタブレットなどの講座を4回/3回 実施 表2:イベント等 ○第28回視覚障害リハビリテーション研究発表大会(盛岡市) 2019年 ポスター発表で参加 ○ロービジョンセミナー SPANの活動紹介で出展 2019年 ○視覚障害者就労支援機関の情報交換会に参加 2019年 ○企業が主催するコンサート2回/1回にて、QRコードを利用したプログラム読上げのデモで協力 ○チャリティー販売会(日本ユニシス)に参加 2019年 ○isee! Working Awards 2020においてアイデア賞を受賞 2020年 表3:テキスト制作・情報提供 ○Microsoft Teamsの操作ガイドを制作 2019年 ○視覚障害者向けiPhone・iPad操作マニュアルを改訂 2020年 写真1:インストラクター講座 SPANの教室で開催されたインストラクター養成講座の様子 写真2:神戸 職業講習 神戸市の臨床研究情報センター(TRI)で開催された職業講習の様子 写真3:isee! Working Awards 2020表彰式 公益社団法人 Next Visionの三宅理事長から表彰状を受け取る北神理事長 写真終わり これからの活動 2020年活動予定 (6月~12月) 表4:講座・職業訓練等 ○土曜講座 Word、Excel、PowerPointなどをテーマに計画 ○ワンポイント講座 Word・Excelの活用法などをテーマに計画 ○遠隔講座 Zoomなどの通信アプリを利用したオンライン講座を計画 ○イインストラクター養成講座 視覚障害者へのパソコン指導の基本を学ぶ講座として計画 ○タブレットサロン iPhone、iPadを学ぶ場として計画 ○在職者訓練 在職中の視覚障害者への職業訓練を計画 ○ジョブコーチ支援 在職中の視覚障害者への就労支援を計画 ○資格取得 対策コースを開設 表5:イベント等 ○ロービジョンセミナー SPANの活動紹介出展予定 表終わり 3ページ SPAN20年のあゆみ 2019年がSPAN創立20周年に当たったことから、20年のあゆみを振り返ってみました。   創立20周年記念祝賀会  2020年2月23日(土)、JR田町駅近くの会場にて、SPAN創立20周年記念祝賀会が開催されました。 当日は、来賓・関係者・会員を含め41名が参加しました。  祝賀会では来賓祝辞の後、これまでの活動に関わった会員へのインタビューをしながら、20年のあゆみを振り返りました。そして30年に向けて、気持ちを新たに歩み始めることを力強く宣言しました。 写真 創立20周年記念祝賀会の様子 写真1 会場入り口 写真2 会場風景 写真3 乾杯挨拶 写真4 展示 写真終わり 年表 20年のあゆみ 1999年 三田ミーティングプラザ開設、アシスタント養成講座開始、設立総会 2000年 視覚障害者向けパソコン講座開始 2001年 NPO法人認証取得、テーマ別講座開始、IT講習会受託(東京、神奈川、北海道) 2002年 テピア体験ブースサポート開始、世界網膜会議で講演と出展 2003年 大森ITプラザ(品川区)に移転、視覚障害者IT指導者育成講習会開始、遠隔パソコン教室実証実験 2004年 視覚障害者PCサポートフォーラム2004開催、会員勉強会開始 2005年 視覚障害者IT指導者育成講習会開催(高知、東京、群馬) 2006年 視覚障害者PCサポートフォーラム2006開催、遠隔パソコン教室・スタッフ勉強会実施 2007年 インストラクター要請講座開始、日本ユニシス社員向け講習会開催、メルマガ毎月配信開始 2008年 パソコン指導者養成講座、遠隔パソコン講座開始、サマーキャンプ事前講習会・ボランティア講習会(福山)実施 2009年 パソコン指導者養成講座開催(全国6都市)、視覚リハ大会で発表、創立10周年記念式典開催 2010年 SPAN☆三田スカイプラザに移転、Office2010マニュアル公開開始、社員研修受託 2011年 震災時の視覚障害者に関する情報をWebで公開、東日本大震災の被災地にノートPCを寄贈、遠隔指導者養成講座をSkypeで実施 2012年 東日本大震災の被災地に音声線量計を寄贈、土曜講座・夜間講座・タブレット体験講座開始 2013年 個人対象講座・在職者訓練・職業スキルアップセミナー開始、視覚支援学校での職員研修会に講師派遣 2014年 Windows8.1操作マニュアル公開、みなと区民まつり参加、就労に関する啓発ビデオ制作 2015年 継続就労フォーラム開催、企業研修実施、Office2013マニュアル公開開始、視覚リハ大会(福島)で発表 2016年 視覚障害者就労支援事業(仙台)・iPhone体験会(大分)実施、タブレットサロン・SPANサロン開始 2017年 視覚障害者就労支援事業(札幌)、インストラクター養成講座テキスト改訂、画面説明マニュアルを公開 2018年 視覚障害者就労支援事業(神戸)・タブレット・スマホ体験会(札幌、鹿児島)実施、タブレット体験会(高岡)・パソコン講習(東大和)に講師派遣 2019年 ジョブコーチ支援開始、タブレット・スマホ体験会(いわき、新潟)実施、アビリンピック2019協力、Teamsマニュアル制作 2020年 創立20周年記念祝賀会開催 4ページ SPANの活動紹介 技術の進歩は視覚障害者に多くの可能性を与えてくれていますが、そうした技術を視覚障害者に伝える人材が不足しています。  そのためSPANは創立以来、職場適応援助者(ジョブコーチ)として、障害者が職場に適応できるよう、障害特性を踏まえた支援を職場を訪問して行っています。 ジョブコーチには「配置型」「訪問型」「企業在籍型」の3種類があり、SPANは「訪問型」による支援を行っています。  この制度は、障害者が新たに就職する際だけではなく、就労した後の支援も行います。 また、この支援の対象は、障害者自身だけでなく、事業主や職場の上司・同僚、さらに家族も含まれます。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.jeed.or.jp/disability/person/job01.html SPANは、ジョブコーチ支援と在職者訓練、また有料の講座や企業研修などを組み合わせながら、就労する視覚障害者を支えていきます。 SPANでは、職業スキルの向上を目指す方はもちろん、ICTスキルを高めたい方、また支援をする方のために 以下の講座や訓練、支援を実施しています。  ・個々のニーズに応じてマンツーマンで学ぶ個人対象講座  ・数名で同じテーマを学ぶグループ講座  ・テーマを決めて実施する土曜講座、ワンポイント講座  ・通信アプリZoomなどを利用した遠隔講座(個人・グループ・団体)  ・就労中の視覚障害者を対象とした在職者訓練、社員研修  ・就労する視覚障害者を、職場を訪問して支えるジョブコーチ支援  ・視覚障害者を指導する方を対象としたインストラクター養成講座 ○ご寄付のお願い 私達は視覚障害者がICTを使いこなすことにより、自立し社会参加、就労していけるよう活動していますが、公的な補助を受けず自主運営している団体です。皆様からのご寄付が活動を維持するための貴重な財源となっています。 この活動に共感していただける方のご支援をお願い致します。 振込先: 郵便振替口座 00110-4-183315 スパン寄付金口 ○写真:SPANの教室、講習の様子 「スカイプラザ」の愛称で呼ばれ、コンパクトでアットホームな雰囲気です 写真終わり 奥付 2020年7月1日 発行 特定非営利活動法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク(SPAN) 〒108-0014 東京都港区芝5-29-22 フェリス三田1103 電話&ファクシミリ 03-6435-1614 E-mail office@span.jp URL http://www.span.jp/ Facebook https://www.facebook.com/span.jp Twitter https://twitter.com/npo_span 以上 広報誌 SPAN2020 第7号 終わり