━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2025年3月号 No.221                       2025年3月28日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  ズームコントローラ その2   ズームコントローラで素早く操作 ● プロフェッショナルコース  愛用しているフリー?ソフト [2] サポートお役立ちサイト  「視覚障碍者のための美術館」 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  NPOホームページ | 内閣府 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  iPhone支援機器、「Hable One」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  大阪・関西万博会場のバリアフリーのご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎ズームコントローラ その2  ズームコントローラで素早く操作 前回のズームの続きです。 コントローラアクションという項目があります。 シングルタップというのを設定してみます。 メニューを表示というのにチェックを入れます。 そうすると、ズームコントローラを一度タップしてみると以下の項目が 出てきます。 拡大 区域を選択 フィルタを選択 コントローラを非表示 倍率のスライダー 倍率の変更などは3本指でダブルタップしてそのままドラッグすれば よいのですが、区域の選択(フルスクリーンとウインドウズームの選択)や、 フィルタの中にある「反転」の選択、などを素早く切り替えるのには 便利です。 また、3本指の操作がうまくいかない場合などには特に便利だと思います。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎愛用しているフリー?ソフト https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/03ba/free_soft.pdf 私が必須と思っているフリーソフトを紹介します。 動画、音楽編集とブラウザは除きます。 いずれも長く使用しているので、安心です。 すでに紹介しているソフトもあります。 1.HDDの安全性を確認する CrystalDiskInfo 現在はSSDが主流ですが、HDDの時代は必需品でした。 複数のPCの管理をすることが多く、PCの健康状態を確認できます。 窓の杜  CrystalDiskInfoで検索してください。 図1 使用例 問題がある場合、正常のボタンが変わります。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/03ba/image1.png 2.高速で複数の作業に名前を付けることができるFastCopy 単なるコピーも高速ですが、指定したフォルダのバックアップコピーの場合、 変更された内容を対象にすることもできます。 Job管理機能でその作業に名前を付けることもできます。 窓の杜 FastCopy で検索してください。 職場で使用する場合は有料です。 図2 使用例 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/03ba/image2.png 3.後ろが見える「デカポインタ」 https://www.cs.k.tsukuba-tech.ac.jp/labo/koba/software/dpointer/ Windowsの標準でもマウスポインタを大きくできますが、透明度の調整が できません。 晴眼者にとっても、プレゼンのときにも大活躍しています。 画面キャプチャをしても、マウスの絵が記録されます。 私はZoomでの画面共有でも使用しています。 大きさなど、いくつかの種類があります。 4.色を数値で教えてくれる「色々の色」 マウスカーソルが示す場所の色を教えてくれます。現在はフリーソフトです。 色の名前に加え、RGBやHSV、HLSなど、数値で色を教えてくれます。 ある場所と同じ色を作る場合にも便利です。 https://www.hikarun.com/w/ Micro Soft Speech API を使用して色を読み上げることができる場合が あります。 図3 色々の色 デカポインタを同時使用 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/03ba/image3.png 図4 読み上げ音声を設定する画面 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/03ba/image4.png 5.複数の画像をまとめて、同じ大きさなどにする「Ralpha」 Webの素材づくりに便利です。 窓の杜 Ralpha で検索できます。 図5 使用中の画面 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/03ba/image5.png 6.Micro Soft Visual Studio Code Html やJavaScript などのプログラミング用エディタの定番です。 説明は省略します。 7.まとめ 今回は、アプリですが、WEB上にも便利なツールが多くあります。 いつか紹介したいと思います。                         文責 村山 慎二郎 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎「視覚障碍者のための美術館」 世界の名画、といっても見えない・見えづらい私たちには縁遠いように 思います。 でも、知りたい、という気持ちは当然ありますよね。 そんな声に応えて、こんなサイトもできています。 今後、充実していくと素晴らしいですね。 「ここでは視覚障がい者のために、世界の名画を解説していくページに していきたいと思います。 できるだけわかりやすく解説していきたいと思いますが、 なかなか難しそうです。 見えなくても絵の内容がわかれば、人生は楽しい。 そんなあなたの美術ライフのお手伝いが、少しでもできれば幸いです。 一般常識として世界の名画がどんな絵なのか知りたい? そんな貴女が少しでも世界の名画の知識が得られるように 応援していきたいと思います。 じっくり読んでしっかり勉強して下さい。」 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://lolipop-goshogosho.ssl-lolipop.jp/vi_museum/bpm.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎NPOホームページ | 内閣府 内閣府が開設するNPOを対象としたWebサイトです。 ここでは、NPOに関する基礎的な情報から、統計、法律など、NPOを 運営するために不可欠な情報が掲載されています。 ぜひ、ご活用ください。 詳しくは下記をご覧ください。 https://www.npo-homepage.go.jp/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎iPhone支援機器、「Hable One」 今回は、昨年11月20日に株式会社ラビットから発売されたiPhone支援機器 「Hable One(ヘイベルワン)」をご紹介します。 Hable Oneは、iOS搭載のスマートフォンやタブレットにBluetoothで接続して 利用する携帯型の「点字キーボード」です。 小型の筐体に6点プラス2個(7と8)の合計8個のキーがあり、 iPhoneやアンドロイドスマホへのパーキンス方式のキー操作により メールやメモなどへの入力が素早く行えたり、電話を操作することが できます。 点字を知らなくても、Hable Oneでの入力方法を学ぶことで、 文字入力やアプリの操作が可能となります。 誤って画面をタップしたりするイライラもなく、スマートフォンの操作を 楽に行うことができます。 本機を使用するときは本体を横長にして、ボタンのある操作面を 背面(自分と反対側)に向け、両手で左右から手を巻き付けるように 挟んで持ちます。 6つの丸い点字ボタン(1〜6)に両手の人差し指、中指、薬指をおき、 文字入力やVoiceOver操作を、その点字ボタンとその左右外側にある 2つの大きなボタン(左が7、右が8)の組み合わせで行います。 ・右スワイプ:ボタン7を押しながら8を押す。 ・左スワイプ:ボタン8を押しながら7を押す。 ・ダブルタップ:ボタン7と8を同時に押す。 ・ホーム画面:ボタン1・2・5の長押し。 のように、ボタンの組み合わせで画面に触ることなく、アプリやコンテンツを 操作することができます。 ■仕様 本体配色:ブラック 寸法・重量:縦60mm×横125mm×厚さ20mm、79g 付属品:本体、USB Type-C 充電ケーブル、ストラップ(短)、 取扱説明書(墨字/CD) Bluetooth:Bluetooth Low Energy 5.1(最大5m) 製造元:Hable Accessibility(オランダ) 定価:49,500円(税込)、日常生活用具給付等事業制度候補品 保証期間:1年間 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.rabbit-tokyo.co.jp/hableone ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎大阪・関西万博会場のバリアフリーのご案内 4月13日に開幕する大阪・関西万博では、会場全体が博覧会協会が策定した 施設整備に関するユニバーサルデザインガイドラインに沿って 整備されています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 ユニバーサル | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト https://www.expo2025.or.jp/universalinfo/ 視覚障害者対応としては、ナビレンス、シカイによる音声情報でのご案内が 導入されています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 各種施設について | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト https://www.expo2025.or.jp/universalinfo/facilities/ ナビレンス、シカイは会場内、トイレのほか、いくつかのパビリオンにも 導入される予定です。 ご利用にはスマートフォンと専用のアプリが必要ですので、来場前に インストールしておいてください。 ◎遠隔ワンポイント講座「Excelクイック操作で効率アップ!」のご案内 SPANでは以下の通り、Excelを効率的に使う方法を学ぶ講座を 開催します。 この講座では、当日参加のほか、録音提供での参加も可能です。 *日時:4月19日(土) 13:00〜16:00 *通信方法:Zoomミーティング *募集定員:当日参加:4名 録音提供:制限なし *受講料:6,600円(受講前にお振込でお支払いください。) ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/activity/#future20250419 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問合せください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して  行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   令和7年度上期の募集を開始しました。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 就労支援をお考えの企業・団体の方  SPANでは、企業や行政機関、学校、団体などで就労する視覚障害者の方、 また、ともに働く同僚のみなさんを対象とした就労支援を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/lesson/jobsupport.html 上記の各講座や訓練、支援は常にお申し込みを受け付けています。  ・ ワンポイント講座   ワンポイント講座は、テーマを絞って2〜4時間で学ぶ講座です。   実施方法は、原則としてZoomによるオンラインです。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、4月19日の講座の募集を行っています。  ・ サポーター養成講座   これまで「インストラクター養成講座」として開催してきましたが、   今後は「サポーター養成講座」という名称で開催します。   現在、内容について検討中ですので、詳細が決まったらWebページで   お知らせします。 *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定3級文書作成 2025年7月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2025年7月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ひろば」でもご紹介しましたが、4月13日から大阪万博が開催されます。 会場内ではAI(人工知能)がさまざまな形で活用されているそうです。 そして、このAIが視覚障害者の生活も変えようとしています。 文字認識はもちろん、人物や画像、また風景なども短時間に認識して 音声化してくれたり、かなり精密な道案内などもできるようになってきており これまで、情報障害者と言われた視覚障害者の生き方にも大きな影響を 与えるような気がしています。 AIがどう進化していくか、関心を持ち続けていきたいと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は4月25日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━