━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2025年10月号 No.228                       2025年10月24日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  今さら聞けないExcel使い方あれこれ(34)   合計を求めるショートカットキー ● プロフェッショナルコース  WindowsPCのブラウザでCopilot をキーボードで使用するその2 [2] サポートお役立ちサイト  一般社団法人日本レストルーム工業会 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  山形県視覚障がい者情報センター [4] ソフトウェア・ハードウェア情報  Windows画面拡大表示ソフト、「ZoomText 2025 日本語版」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第294回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎今さら聞けないExcel使い方あれこれ(34)  合計を求めるショートカットキー 合計を求める場合、SUM関数を入力したり、オートSUMを利用すると 思いますが、ここではショートカットキーを利用した方法をご紹介します。 例えば、セルA1に20、A2に30、A3に40が入力されていて、 A4で合計を計算したいとします。 手順は以下の通りです。 1.セルA1からA3を範囲選択します。 2.[Alt]キー + [Shift]キー + =(イコール)を入力します。  セルA4に合計の90が表示され、以下の計算式が入力されています。  =SUM(A1:A3) 【ワンポイント】 上記の計算は、セルA4に移動した状態で ショートカットキーを入力しても行えます。 ただし、隣接したセルに入力されている内容によっては うまく計算できないことがあるので、合計を求める範囲を選択するのが 安全です。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎WindowsPCのブラウザでCopilot をキーボードで使用するその2 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/10Copilot/use_copliot2.pdf 1.はじめに Copilot(コパイロット)の起動は先月を参照。 今回は、大まかな機能について説明します。 2.+メニュー 起動後そのまま、お願いを入力できますが、ここで[Tab]キーを押すと、 +ボタンまで移動します。 図1 +で開いたメニュー https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/10Copilot/image1.png [スペース]キーで検索モードを選択するメニューが開きます。 「画像またはファイルを追加」「画像の生成」「Deep Researchを開始」 「クイズの開始」「スクリーンショットを取る」「タブの追加」があります。 [Tab]キーを押すと一番上の項目が候補になります。 [Tab]キーで次の項目、[Shift]キー+[Tab]キーで前の項目に移動できます。 上下矢印は使えません。 使いたいモードになったら、[Enter]キーで確定します。 3.クイック応答 +メニューで、[Tab]キーを押すとクイック応答に移動します。 [スペース]キーで検索方法のメニューが開きます。 「クイック応答 」「Think Deeper」「Smart(GPT-5)」「Search」を選ぶことが できます。操作は+メニューと同じです。 図2 クイック応答のメニュー  https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/10Copilot/image2.png 4.会話モード [Tab]キーで移動する次の項目は 会話モードです。 初回は、設定が必要ですが、気持ちよく使用できます。 マイクに話しかけた内容を音声で答えてくれます。 相手から話しかけてくれます。 5.以前の質問内容を呼び出したい [Shift]キー+[Tab]キーで …で表示されるオプションまで移動し、 [Enter]キーを押すとメニューが開きます。 ここで、自分の会話で[Enter]キーを押すと会話のリストが表示されます。 このリストをキーで選ぶ方法については、調査中です。 図3 オプションのメニューが開いた様子 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/10Copilot/image3.png 図4 会話の履歴が表示された様子 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/10Copilot/image4.png 6.最後に Copilot は進化中の機能です。ショートカットキーも十分とは言えません。 各機能にショートカットが追加されるといいですね。 次回は、実際にいくつかの機能を使用した例の予定です。                         文責 村山 慎二郎 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎一般社団法人日本レストルーム工業会 突然トイレの話です。 多目的トイレで、ボタンを押し間違えて呼び出しボタンを押して 大騒ぎになったことがあります。 経験のある人多いと思いますね。 「サイトワールド2025」で、規格に基づいたものを触ってきました。 大切なことだと思います。 「JIS(日本産業規格)やISO(国際規格)には、公共トイレに設置する 紙巻器、便器洗浄スイッチ等の器具の位置、形状が規定されています。 この規格は、公共トイレを利用する際に視覚に障害のある方や 肢体が不自由な方が抱える問題(洗浄ボタンがなかなか見つからない、 自身の動作特性から各器具が使えない等)を解決するために作られました。」 その他、いろいろな方の利用を考えてみましょう。 ▼詳しくは下記をご覧ください。   https://www.sanitary-net.com/universal_design.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎山形県視覚障がい者情報センター 今回は山形県の団体紹介です。 視覚障害者への点字・録音図書の制作・貸出やボランティアの養成などを 中心に活動している団体ですが、ICT機器などの展示・体験・紹介なども 行っています。 地域の視覚障害者にとってなくてはならない団体ですので、支援する方には ぜひ知っておいていただければと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 ※下記URLが長いため、途中で改行しています。 https://y-sinsyokyo.com/%E9%96%A2%E9%80%A3%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E6%89%80% E7%AD%89%E7%B4%B9%E4%BB%8B/%E8%A6%96%E8%A6%9A%E9%9A%9C%E3%81%8C%E3%81% 84%E8%80%85%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎Windows画面拡大表示ソフト、「ZoomText 2025 日本語版」 今回は、8月20日に有限会社エクストラから発売された Windows画面拡大表示ソフト「ZoomText 2025 日本語版」をご紹介します。 ZoomTextはWindowsの表示画面を拡大し、見やすくするために開発された ロービジョンの方向けのソフトウェアです。 拡大機能のみのZoomText2025と、読み上げ機能も備えた ZoomText 2025 +リーダーをお選びいただけます。 新機能と改良点は以下の通り。 @ライブテキスト 画面上に表示されているテキストを、画面上部または下部に読みやすく 表示する機能。 視認が困難なテキストであっても、フォント・文字サイズ・文字/背景配色を お好みに変更できます。 AFSコンパニオン ZoomTextの機能や操作方法などについて、ウェブブラウザ上からAIに 質問できる機能。キーワードや質問を投げかけると、関連した情報を 説明してくれます。 Bパフォーマンス・安定性の向上  ZoomText+リーダーの読み上げ機能は画面拡大機能を使いながら 音声読み上げを行います。拡大画面を確認しつつ音声で ユーザをフォローすることに特化した機能です。 ゾーン機能による範囲指定読み上げ、BG(バックグラウンド)リーダーを使った クリップボードの文書読み上げなどが可能です。 ●動作条件 OS:Windows11、Windows10(x64 アーキテクチャ対応) +リーダーの読み上げ機能はJAWS以外のスクリーンリーダーと併用できません。 ●価格(税込) ※ZoomText 2025からは新規に永久ライセンスを購入する際にはSMA (ソフトウェア保守契約)の購入が必要となります。SMAは購入から2年間有効で ZoomTextを最新にアップグレードすることができます。 永久ライセンスに加えて期間ライセンス(サブスク)の提供を開始します。 ZoomText2025 新規(SMA2年付):121,000円 ZoomText 2025 サブスク1年:53,900円 ※SMAのご購入には、ユーザー登録が必要です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.extra.co.jp/product/zoomtext-2025/ ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第294回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 仙台ロービジョン勉強会は、視覚障害児・者の支援について さまざまなテーマについて学ぶ定例の勉強会です。 *テーマ:家族の心理に気づく視点を持つ(2回コース) *話題提供:田中 桂子 さん(心理カウンセラー)  ※講師はオンラインでの参加となります。 *日時  第1回 11月12日(水) 19:00〜20:30  第2回 12月10日(水) 19:00〜20:00 *会場:(2回共通)  EARTH BLUE 仙台勾当台ビル 8階 仙台市第3会議室 *参加費:500円 *定員:第1回 20名、 第2回 10名(オンラインはありません) *参加のお申し込み方法:11月6日(木)までにメール、またはFAXで  お申し込みください。 *お申し込み・お問い合わせ先  仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台  電話:022-341-1728  FAX:022-341-1729   メール:sisien@sky.plala.or.jp ◎第7回神戸発、視覚障害者雇用の未来を考えるフォーラムのご案内 社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合、認定NPO法人 神戸アイライト協会、 視覚障害者就労相談人材バンクの3団体共催で、視覚障害者の就労に関する フォーラムを開催します。 *テーマ:「若年層の話を聞いてみよう!」  〜20代・30代の当事者が語る過去、現在、将来のビジョン〜 *日時:11月23日(日) 13:00〜16:00 *会場:中山記念会館 1階 大会議室  〒652-0802 神戸市兵庫区水木通2丁目1番9号 *開催方法:会場並びにオンライン(Zoom)でのハイブリッド形式 *定員:会場 50名、オンライン 250名 *参加方法:参加をご希望の方は下記よりお申し込みください。  https://forms.gle/nmvBWXdrSXX9kHZA9  ※会場参加の場合は10月26日までにお申し込みください。  なお、会場参加については、定員を超える場合は抽選となります。 *プログラム  第1部 就労体験発表  第2部 パネルディスカッション *参加申し込み・お問合せ先  神戸アイライト協会 飯山 知子  メール employment-forum@eyelight2.sakura.ne.jp  電話 078-531-6340(火曜から土曜 10時から16時まで) ※開催当日のお問い合わせには対応できませんのでご了承ください。 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問い合わせください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   現在、令和7年度下期の募集を行っています。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 就労支援をお考えの企業・団体の方  SPANでは、企業や行政機関、学校、団体などで就労する視覚障害者の方、 また、ともに働く同僚のみなさんを対象とした就労支援を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/lesson/jobsupport.html 上記の各講座や訓練、支援は常にお申し込みを受け付けています。  ・ ワンポイント講座   ワンポイント講座は、テーマを絞って2〜4時間で学ぶ講座です。   実施方法は、原則としてZoomによるオンラインです。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集している講座はありません。  ・ サポーター養成講座   これまで「インストラクター養成講座」として開催してきましたが、   今後は「サポーター養成講座」という名称で開催します。   現在、12月の講座の準備をしています。募集を開始したら改めて   ご案内します。 *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級データ活用  2026年1月期  ・ 日商PC検定3級文書作成 2026年1月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2026年1月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 朝晩の空気も冷え込みが増してきました。 秋は、実りとともに心も落ち着く季節ですね。 今号では、日々のサポートに役立つ知恵や、視覚障害者支援の現場での 取り組みをご紹介しました。 読者の皆さまの活動に、少しでも温もりとヒントをお届けできていれば 嬉しく思います。 **季節の変わり目でもありますので、どうぞ体調にはお気をつけて お過ごしください。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は11月28日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:富岡 宜喜 https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━